羊飼い丸岡

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最近の記事

ひつじの雄

私がひつじの雄について、色々と教えてくれたのが、コリデール種の「メイメイ」、そしてサフォーク種の「ヘッド」でした。 今から20年ほど前。 動物愛護の観点は低く、ふれあい動物は「抱っこできる物」「お散歩できる物」「餌を与えて楽しむ物」という概念を持っている人がほとんどで、動物は消耗品として扱っている飼育員が多い時代でした。 当時の広場を管理していたのは、田舎のおじいちゃん飼育員がひとりだけ。私は与える餌の量と、掃除の仕方を教わっただけで、「じゃあ後は任せたぞ」という感じに、

    • 過去を振り返り、過ちを見直してみる。

      私が動物を管理するようになって、早20年が経とうとしています。 それに伴い、私が体験した失敗の数々や、移り変わっていく考え方などを、少しずつここに記していこうと思います。 誰かの糧になれたら幸いです🌱🐑

      • 私にとっての羊飼い

        私が今回感じた思いを、文字としてここに記しておきます。あまり人に向けた言葉ではなく、自分の頭の中を整理するための言葉になるので、読みずらい文章になると思いますがご理解ください。 2023年1月29日 ヒマラヤからお越し頂いた睦美さんとのお話し会。とても生命に満ち溢れた方で、睦美さんが座れば、そこはもうヒマラヤの景色が広がります。 ゆっくりと ひとつひとつの言葉を紡ぎだす睦美さん。 昨年お会いした時と変わらないその眼差しが とても懐かしく感じました。 私は今回、 今まであ

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        • 動物園の羊たち

          このテーマは私の中ではかなり根が深く、 話し出すと止まらないかもしれない。 きっと私にとって、 1番の関心ごとなんだと思う。 しかし、決して動物園がどうとか、良い悪いとかを言いたい訳ではないので、誤解しないで欲しい。私は常に、出来ることがあれば力になりたいという思いでいる。 #上から目線で申し訳ない 動物園の役割 いわゆる種の保存、研究、教育、娯楽、といった柱を掲げているのが 動物園な訳だが、彼らにはしっかりとした理念がある。 それはとても素晴らしい活動かもしれない

        ひつじの雄

          衣服のこれからを考える

          これは、Fashion Frontier Program 通称「ffp」と呼ばれるプログラムの発起人、ファッションデザイナー中里唯馬さんの言葉です。 今回この取り組みに対して、少し関わらせて頂くことが出来たので、私なりの視点ですが、専門外のファッションについて少し考えてみたいと思います🌱🐑 羊毛作品がffpでグランプリを獲得 2022年度のffpでグランプリを獲得した、山田菜々葉さん。 作品名は"羊と人間の共存"。 その素材として使われたのが、私の育てた羊「さあこ」

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          衣服のこれからを考える

          求められていたのは羊ではなく作家との繋がり

          今年で2回目となる "羊からはじまる糸ものがたり" 前回の「はじめまして〜この糸はですねー」と お声かけさせて頂いた時とは違い、 今回はお声かけした途端に、向こうから 「こないだ羊に会いに行ってきたよー」と嬉しい反応が返って来ました。 中には前回買われた糸を使って、ベストを編まれた方が、わざわざ会いに来てくれたりもしました。それも1人や2人の話ではないのです。 明らかに前回とは違う空気感が、 このイベント会場には満ち溢れていました。 皆この場所が、約束の場所であった

          求められていたのは羊ではなく作家との繋がり

          【羊からはじまる糸ものがたり】て何?🐑

          どうも、羊飼いの丸岡です🌱 久しぶりにnoteを書いておりますが、色々と記しておきたい事があるなと思い、筆を取っております。 さて、 ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、 先日、 6日間に及ぶこちらのイベントが無事に終わりました〜😊ありがとう御座いました〜。 いやー今年も楽しかったです〜 ...あれ、 皆さん来てくれましたか? いやいや😂 終わってから何を言っているんだよって話ですよね、すいません。ここが私の課題です。御免なさい🙇‍♂️ さて今日は、 この【羊か

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          成功したければ失敗事例を学べ。

          こんにちは。 ”人と羊が共に歩む未来”を目指している、ちょっと変な羊飼いです。 さて、今日も学生たちに色々と説明していたら、 あっという間に1日が終わってしまったわけですが、 ふと思ったのが、 自分、失敗談とか問題点とか苦悩話とかが好きなんやなってこと。 自分の今までの取り組みや、苦悩、そして今悩んでいることなど。 色々と話していく中で、私は学生たちにその問題から得た学びを、 惜しげもなく伝えています。 そしてそれを一生懸命メモしていく学生たち。 でもそれは、私が出

          成功したければ失敗事例を学べ。

          命を飼うことの責任ってなに?

          こんばんわ。 今日は仕事おわりに書いてます。 今は、研修生が毎週やってくるファームゼミ期間ですね。 今日も将来を担う若い飼育員から様々な質問に答えていましたが、 その中からひとつピックアップしてみます。 Q:高齢で歯が抜けてしまったひつじさんは、ごはん食べられるのですか? 私の答えはNOです。 食べても口からこぼれ落ちてうまく食べられません。 Q:どうやって食べさせるのですか? 私:特に何もしませんよ。 逆にあなたはどうしてあげたいと思うのですか? Q:何か方法が

          命を飼うことの責任ってなに?

          思うことは多々ある

          思いを言葉に記していくには、 いかんせん時間がかかる。 書きたいことは多々ある。 言葉にまとめてみたい思いは多々ね あるんですよ。本当にね、 でもそれが出来ない、書けない 時間がない。 という問題と、今向き合っています。 はい、noteを書く手が止まってしまいました。 いやーダメですね。 完全に三日坊主です。 いかにこの作業(アウトプット)を習慣化するか、 仕組み化として落とし込めるか。 そこを意識しながら 再度続けてみたいと思います。 前回の失敗例 小屋作

          思うことは多々ある

          羊に適した小屋作り【屋根】

          今日は屋根のお話。 屋根 結構大事です。 羊たちにとって、屋根の役割は 雨が降った時の避難場所になります。 でも、羊は意外と雨には強い生き物です。 雨でも平気で外に出歩いたりしますしね。 試しに雨に濡れた羊の毛をかき分けてみたのですが、意外と中まで雨が入り込んでおらず、 まじか!すご!って普通に感動したのを覚えています。 さて、そんな羊さんでも、 やっぱりずーっと雨に打たれてしまったら大変ですよね。なので、最低限の雨宿りは欲しいです。 じゃあ単純に屋根を付ければ良

          羊に適した小屋作り【屋根】

          羊に適した小屋作り②

          前回の続き、 「小屋に"自然"を取り入れる。」 これが凄く重要なキーワードだと、 私は捉えています。 そもそも自然とは何か、 何を意味してこの言葉を使っているのかを、 先に定義しておきますね。 私の言う"自然"とは、 循環の力です。 プラスとマイナスの循環 循環には、 2つの方向性があります。 プラスとマイナス 好循環、負のループ、 と呼ばれるアレです。 私は物事を作る際に、 必ずこの言葉を意識します。 小屋で例えると、 「羊のためにこの小屋を建ててから、

          羊に適した小屋作り②

          羊に適した小屋作り①

          羊を飼いたい! そんな夢を描いている方は少なくないですよね。 この記事を読んでいる方はきっとそうだと思います。 じゃあ、どうやって飼えば良いの? 餌は?小屋は? 今回はそんなお話をしようかと思います。 まず、 生き物を"飼う"っていう考え方は、 私はあまりお勧めしていません。 "飼う"って基本、大変なんです。 餌を用意する=お金が掛かる 運動させる、お散歩する=時間が掛かる 当たり前ですよね。 「生き物を飼うんだから それくらいは責任持って飼いましょう」 ってね。

          羊に適した小屋作り①

          素材と向き合う若者たち

          以前までは全く関わることがなかった、 ファッション業界。 "羊毛"に力を入れ始めてから、 一気にそちらの世界にも関わるようになってきました。 ファッションにはあまりこだわりの無いワタクシです。動き易さや機能性にしか興味はなく、服は2着あれば十分。そんなタイプのおじさんです。 (ウールと出会ってからは服は1着あれば十分だと気付きました) そんな私は最近、 ファッションやデザインを学ぶ大学生たちに向かって熱く授業をしています。 おかしな話ですよね。 誰もが知ってる当たり

          素材と向き合う若者たち

          私が思い描く”人と羊の世界”

          ども、羊飼いの丸岡です。 これから色々とnoteに書き記していこうかと思っているのですが、まずはこれを伝えておかないとなーと思い、よっこらせとPCに向かっております。 私にとって羊を伝えることが仕事であり、 使命であり、楽しみでもある訳なので、 そんな私が思い描く世界観を書き記しておきますね。 想像してみてください。 ”羊からはじまる 糸ものがたり”寒い冬  温かいセーターを求めて、私はとある牧場へと足を運びました。そこで、1頭の羊と出会います。  温かな毛で包ま

          私が思い描く”人と羊の世界”

          ひつじフェスタを終えて思うこと

          2022年春 4回目のひつじフェスタが無事に終わりました。 なんだかんだと半年くらい準備に時間を掛けて、3日間の開催。内2日間は雨に終わった。 なんだろう、 雨は残念だったけど、それでも達成感は凄くある。 それはきっと、今回のイベントが私にとって、 かなり踏み込んだ内容だったからかもしれない。 "人と羊が共に歩む未来へ" 世間のことを詳しく知る訳でもない私が、 何を意気込んで掲げているのだと思われるかもしれないが、 私は別に誰かに聞いた訳でも、 新聞記事に書かれた

          ひつじフェスタを終えて思うこと