会社でのコミュニケーションエラーは気にするのに、わが子とのコミュニケーションエラーには気づけていますか?

 社会に出れば、コミュニケーション能力が高い/低い、コミュニケーションエラーが生じているなど、一度は耳にしたことがあると思います。コミュニケーションとカタカナで書くと分かりにくいですが、言い換えれば「意思を伝達する」ということです。
 一般的にコミュニケーションが成り立つ前提として、言葉の「受けて」と言葉の「話し手」がそれぞれ情報の伝達を行う準備をしていることが必要です。例えば、職場では相手方が忙しそうであれば「すいません。今いいですか?」などと確認を入れて、相手の注意をこちらに向けてから会話を始めます。また、私たちは日本人なので当たり前のように日本語で話をしています。これは共通の言語を持っているからできることです。

わが子とのコミュニケーションエラー

 では、一般家庭での大人と子供の間で行われるコミュニケーションはどうでしょうか?
 例えば、言葉を話せない赤ちゃんの場合。赤ちゃんは言葉の代わりに「泣く、わめく」ことでおとな(親)の注意を惹き、自分が不快であるという感情を発信しています。話し手である赤ちゃんは、親に自分の気持ちを精一杯伝えようとしていますね。それに対して、受け手である親は赤ちゃんからのメッセージを受け取る準備ができていますか?赤ちゃんはただ親を困らせるために泣いてわめいているわけではありません。それなのに、あやすこと・泣き止ませることに注力していませんか?それは、必死で自分の気持ちを伝えようとしている人(赤ちゃん)の口を塞ごうする行為に似ています。赤ちゃんは、言語を習得していないし、自分の気持ちも細かく認識しているわけではありませんが、「快である/不快である」という気持ちは感じています。その気持ちが生じた原因をメッセージの受け手である親がくみ取って解決してあげることが泣き止む、つまりコミュニケーションが成り立って、赤ちゃんとの意思疎通が完了した状態となるわけです。
 もう少し成長して、言葉を話せるようになった年少期のこどもはどうでしょうか?例えばゲームに夢中で、晩ごはんができてもなかなかやめられず、親に怒鳴られてしぶしぶゲームをやめるなんてことありませんか?この場合、こどもの注意は完全にゲームに持っていかれています。こんな子供に話しかける行為は、職場でいうところの仕事が忙しい人に話しかけることとと同じ行為です。まずは自分に注意を向かせなければなりません。ではどうするか。無理やりゲームの電源を落としたとしたら、それは職場で誰かがパソコンの仕事をしていて、会話がしたいからといきなり電源を落とす行為と同じです。子供に限らず相手の注意を自分に向けるのに手っ取り早いのは、「相手の視界に入る」「相手の身体のどこかに接触する」ことです。ゲームをやっているこどもに後ろから声をかけるのではなく、こどもに近づき身体に触れて視界に入りながら、「ごはんができたからゲームはやめてくれる?」と言うことです。自分のこどもだからと言ってコミュニケーションを雑に行うと、容易にコミュニケ―ションエラーを引き起こし、大人が子供に怒る場面が増える/大人はストレスが溜まる日々になってしまいます。



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