胸の真ん中から左にちょっとずれた辺りに、墨のように滲む。黒くて丸い、靄のようなものでできた、赤子の手の平くらいの小さな塊が、なにもない場所に浮かんでいる。震えるような心許ない冷たさを、気の抜けたサイダーで5倍くらいに希釈して、喉の奥に流し込む。

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