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あとがき。

 この度は「いつか会えたら」をお読み頂きましてありがとうございましたー!
 この記事には話を作る時に気をつけたことや感想などを書き留めました。読めるところまで読んで頂けたら嬉しいです。

(いつか会えたら→ https://note.mu/hiyokodou/n/nbb0e2507f4ff


「いつか会えたら」は
"絶対に告白してはいけない相手に告白する掌編小説を、400字×5枚〜10枚で書いてください"を、いっしょにやりませんか?
https://note.mu/storyofmylife/n/nc70f61186de8
というyosh.ashさんのお誘いにトライしたおはなしです。

絶対に告白してはいけない相手【まとめ】│Text:Atsushi Yoshikawa
https://note.mu/storyofmylife/n/n1dcd6b749f0a



「私」物語化計画 ということで、「私」を掘り下げるために私が避けている題材を扱いました。避けているということは普段気付いていない「私」がにじみ出るんじゃないかな、と考えたわけです。

 なぜ避けているのかと言うと、なんというか、いまは努めて恋の話を書いていますが、元々は誰かが死んだり罪を糾弾する話を書きがちでして、さらに昔かいたモノを見返しますと、主人公が重苦しいことを言いがちでして、それがわたし的にはものすごく嫌だったのです。

 いまは、死や罪を扱っても光のある方向にものがたりを連れて行くことはきっとできると思っているので、そうなれるように試行錯誤している真っ最中です。

 今回、仕上げた結果、「私」がにじみ出たのかはよくわかりませんが、ともかく投稿する時はとても緊張したので、スキを頂く度にほっとしました。ありがとうございます(深々とおじぎ)。

『絶対に告白してはいけない相手に告白する』とは?

「メリィクリスマスを分析する」という課題の次に出された課題であることを前提にテーマを探りました。

・告白→罪or恋
・結末→誰かが不幸を被る
・絶対→取り返しがつかない感じ

 恐らく、『マッドサイエンティストが作った”誰かにスキって告られたら爆発する核弾頭ロボ(絶世の美女)”が誰かにスキって告白されてセカイが終わる』といった風情の話を求めてるのではないだろう、と捉えて、人間関係が木っ端微塵になる方向に進みました。

 話の基本構造は、

・誰かになにかを告白した結果、取り返しのつかない悪い結果が生じる

だと思うので、私が書いたものはやや横道に逸れている気もしますが…まあいいや!(なげやり気味)

はなしのテーマ

・春にそそのかされた白梅が神社の傍で咲き誇っていた。

 冒頭の一文は「白梅がまだ春じゃないのに春だよってだまくらかされて咲かされちゃったよ」って意味で書きました。
 「春」=そそのかすもの、「白」=純朴、転じて疑うことを知らないもの、と設定して話を作っています。ナツのスカートも白です。

 そそのかすとは「相手が、ある行動、特に、よくない行動をするように、すすめたりおだてたりする」と辞書にあります。
 ということで、裏切りの物語で、
「友達の彼氏にちょっかいを出して、結果、友達と決裂する話」です。

 

気をつけたこと

 文章を書くとき感情表現を淡々と書きがちなので、今回はこころの浮き沈みとか強弱がはっきり見えるように気をつけました。
 また、日頃から主語が曖昧な文章を作りがちなので、誰が何をしているのか動作も併せて書く、という点に気をつけて、主語を出来るだけ入れるようにしました。

 作中の「僕」の陰が薄いのは、「彼女」の心の動きにスポットを当てたかったので、傍観者として書いているからかなと思います。当初はナツも終盤まで喋らない予定でした。
 なので、三人称で書いても良かったかもですが、個人的に「僕」という響きががすきなので「僕」に語ってもらいました。


感想

 「彼女」が誰を好きなのかがちょっと曖昧だったかな、という気がします。誰というのは、「僕」なのか「彼女自身」なのか「ナツ」なのか、という意味です。その辺りをもっと頭の中で丁寧に解いてから文章に落とし込めばよかったかもです。

 あと、色んな人の『絶対に告白してはいけない相手に告白する』話が読めて楽しかったです。こういう機会を頂けてとても嬉しいです。


(…せっかくなので、思ったことを赴くままに書いてここに残しておきます)

 「私」を掘り下げた結果「物語」がうまれるのだとしたら、『本筋がひとつあるけど読む人によって違う読み取りかたもできたらいいな』という出発点から話を作り始めたところが(出来ていたかどうかは別として)、私の性格を反映しているなあと思います。

 人の心は形がなくて千差万別ですが、常識あるいはだれかの決めつけによって、感情にレッテルを貼られ、行動を天秤にかけられて、人となりに判断が下されがちです。みんな決めつけられるのはすきじゃないはずなのに、どうしてだかそうしがちです。私自身も含めて。

 ひとというのは曖昧ないきものです。たとえば脳細胞からの電気信号に統べられていて、ちょっとしたエラーで体も感情も思い通りに動かなくなります。
 こころすら統べられ混濁させられてしまうわけですが、それでもひとはなにかを慈しみ、己の哲学の中で己を生きていこうとするし、いのちにしみついたものはこころを混濁させられても意外と消えないものだ、とも思います。

 想いを伝える手段の一つはことばで、だけどことばというのは繊細ないきもので、発した言葉の、たった一文字の違いで、大きな誤解を招いたりもします。上手に使いこなせるようになりたいので勉強中です。
 

 
 ここまでおつきあい頂き、ありがとうございました!私の活動はイラストと漫画が主体ですが、テキストでもまたお会いできれば幸いです。

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