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登校班を勝手にそっと辞めた件

東京育ちの私には概念になかった〝登校班〟

4年前に越して来た寂しい都会…
プチ田舎な我が家の方では
〝登校班〟なるものがあった

登校班とは、子供達が安全に登校するために
地区毎に班分けされ、
5・6年生が班長・副班長となり
下学年の子供を挟んで一列になって登校すること

安全に登校する”が最大の目標だが
班長・副班長になった上学年の子どもが
下学年の子供の面倒を見る
〝なかよし活動〟の意味合いある

しかし、息子さんと私が
この家に引っ越して来たのは
2019年の11月の事だった
そして、11月いっぱいは車で
1時間半以上かけて前の保育園に
通っていたので
ほとんど家には寝に帰るといった生活だった

2019年というとコロナが流行り出した時

12月の頭からは地元の保育園へ転園したもの
2020年の5月には
初めての緊急事態宣言がされ
1ヶ月間、それまで味わったことのない
息子さんとの蜜月を過ごすことになった
(毎日、ほばザリガニ釣りしてたw)

引っ越し先での生活が落ち着いて来た頃
この地域には、登校班というものがあって
我が家の前が待ち合わせ場所に
なっていることに気づいた
いずれは息子さんもそこに入るのだろうと
思っていた…思っていたのだが

ある日まったく見た事ない女性が
インターホンを鳴らした

その女性も確信がなかったのだろう
しどろもどろに話す見た事ない人を
不審がる私となかなか話が噛み合ず

『うちの子が、たぶんお宅の息子さんが
 新しく同じ登校班に入る子じゃないかと
 言っているんですけど…』

と言われてやっと理解ができた

家の前が集合場所の班と思っていたが
息子さんの所属予定の登校班は
50m先の坂の下が集合場所の班だったのだ

引っ越して来て早々にコロナ禍となったため
地域の行事等も自粛され
平常時以上に隣近所の付き合いは薄かった
(私が人見知りしていたわけではないはず)

唯一の繋がりはゴミ当番だけ
当番票で名前はわかっていたし
ゴミ当番のライングループにも入っていた

このゴミ当番グループのお子さん達が
家の前に集まっていたのだから
当然、息子さんもそこに入るものと
信じきっていたのだが
息子さんが入ることになった下の登校班は
ゴミ当番のグループが別のコミュニティー
顔すら見たことない人がほとんどだった

登校日初日に、なんとなく挨拶して
学校を休む時や遅刻する時は
グループラインで連絡すると言うので
流れで登校班のライングループに
入る事になってしまった

当時の私は、
登校班自体が未知のものだったので
ライングループに入るのは掟なのだと
理解したのだが
後に、これが自分の負担になるとは…

最初のうち、息子さんは
途中までついて来て欲しいと希望した
(不安だったのだろう、可愛い奴め)

挨拶をするのは子どもを送りに出た大人だけ
子供たちは無言で列に並び
時間になると出発する

コロナ禍で黙食とか私語は慎まれたという
影響もあったのかも知れないが
登校班に慣れてない私には異様だった

私が知っている登校風景は
誰かに会ったら挨拶したり
仲のいい友達と待ち合わせとかして
楽しく話しながらいくものという
イメージがあったから

とは言え、毎日が遅刻との勝負だった
私は基本は学校までの直線距離
おそらく200〜300メートルの距離を
走って登校した記憶しかない
先天性股関節脱臼だったのが信じられないw

また小学校には子どもたちの登校を
見守る一貫として黄色い旗で交通整理をする
〝旗ふり当番〟なるものがあるのだけど

初めての当番の時に
一緒に旗を振る先輩のお母さんから
説明された事が衝撃過ぎて
記憶に焼き付いている

『子供たちが通るので
 〝おはようございます〟と言って下さい
 子供たちは大抵あいさつしませんが
 気にしないで下さい』

きっと私が傷つかないように
予め教えてくれたのだろう

そのお母さんの言うように
挨拶を返す子どもは殆どいなかった

マジか、、、
いやいやコロナ禍のせいだきっと

コロナ禍が登校班から礼節と〝なかよし運動〟
機能を奪ったに違いないと思うことにした

息子さんは、暫くすると
一人でも登校班に行けるようになっていた

とは言え、朝が苦手な息子さん
いつもほぼビリで列に加わる

1番年下なのに、みんなを待たせているのに
走ろうとしない息子さんによくイラッとした
『すこしくらい空気を読めよ!』と
そして、それを言っても走らない息子さんに
『こいつ、ダメだ…』と呆れたw

そうだ、、、
私はこう見えて空気を読む人間だった
しかも気を遣っていると気づかれないように
気を遣う事を美徳としていたのだ
まぁ、だから人といるのは最低限でないと
疲れてしまうのだけど
他人の不機嫌のオーラとか不満のオーラに
めっちゃやられる(影響受ける)タイプだし

なんとか、概ね(?)
登校班で通っていた息子さんに
ある転機が起きた

2年生になって
登校班の班長さんが変わったのだ
新しく班長になった子の家は
集合場所に近いからか
ご家族がとっても仲が良いからか
両親が揃って見送りに外に出るお宅だった

まぁ、それは良いんだけど

時間にシビアな班になっていた
シビアと言うか冷酷と言うか…
集合時間になると
駆け寄り登校班の列に入ろうとする子を
お構いなしに進み出してしまうのだ
見えてると思うんだけどなぁ…

まぁ、ウチの息子さんのように
遅刻常習犯ならその仕打ちもしかたない(?)
かもしれないけど、
息子さん以外の子と2人くらいが駆け寄っても
待たずに出発するとこを見てしまってから

あと数秒くらい待ってもよくない?
班長さんの親も
「来ている子が居るから
 ちょっと待ってあげて」くらい言うとか
列の後ろ方の子が言うとかしてもよくない?
と私の中で登校班不信になっていった

そして、もう一つ
2年生になって宿題に苦心していた息子さんが
朝登校班の時間までに、学校に行く準備をして
出れる状態にできない日が多くなった

前の日遅くまでやっていて起きれなかったり
朝早起きしてやったのに間に合わなかったり

その度に「先に行って下さい」と
ラインするのも迷惑な気もするし
何せ駆け寄ってる姿が見えても
無慈悲に時間で進むような班だし
徐々に遅刻のラインをしなくなった

さらに、病欠などの連絡があると数人が
「お大事に」的なラインを返信するのだけど
元々、コミュニティーが違うので
絵文字だらけの親しそうな返信の中
どう返信すべきか、返信しなきゃいけないのか
登校班の親のコミュニティー自体に
私自身も疲れてしまい

息子さんがほぼ登校班で行かなくなったある日
そっと勝手にライングループを抜けた

※息子さんのために書くと、
一応、毎日元気に学校行って学童も行ってます