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いたって普通の大学生が結婚したわけでもないのに突然名字を変えた話

まず、こんなラノベみたいなタイトルで始めたのは、そのくらい気軽に読んでほしいって意図があります(雑)私自身この体験を、一般的な人生を歩んでたらあんまり体験しなさそうなことだからみんなにとってちょっと面白いんじゃない?くらいの一種のコンテンツだと捉えてるから、お知り合いの皆様どうか心配したり変に気を遣ったりしないでほしい。

さて、本題に入ろう。まず、お知り合いの皆様が気になるであろう新しい名字だが、これは母方の祖父母の名字(実名は気になる方は聞いてください)である。名字を変えると言っているが、実際には祖父母の養子になるというものだからだ。ただ戸籍上祖父母の子供になるというだけで、生活は今と全く変わらない。私にとって実生活に影響が出るのが名字が変わるという事象くらいなのだ(だからこそあんなタイトルにするのだが)

ではなぜ私が名字を変えることにしたのかという経緯から話していく。大きく分けると2つの理由がある。1つ目は家庭の複雑な事情なので説明を簡単にさせていただくと、遺産相続の問題だ。祖父母が亡くなった時、母の生活を守るため、遺産を分配する母数を増やしておこうという作戦だ。ここまではよくある(?)話だろう。2つ目は祖父母の家系がちょっと歴史的にいいとこの本家だということだ。過去に多くの人々を救ったらしい。そこの本家の血筋で歴史的に貴重なものを数多く所有している。実際、巻物やら扇子やらをちらっと見せてもらったが、歴史に疎い私でも見るだけで大事なものだとわかる代物ばかりだった。その本家の名字を継ぐ者が残念ながら現在おらず、祖父母の代で途切れてしまいそうなのだ。そこで私が入れば少なくとも一代は長く継ぐことができるという算段だ。だから祖父母孝行と思っていいかな。

こんなに淡々と述べているが、名字を変えるのは嫌じゃなかったのか、悩まなかったのかと気になる人もいるだろう。自分でも他人事のように書いてるなあと自覚している。が、正直みんなが想像するほどは悩んでないと思う。生活は今と変わらないし、今までに関わってきた人は大体元の名字かそれをもじったあだ名で呼ばれてるからそれを変える気もない(むしろ急に変わっても私が慣れない)小さな頃から養子にならないかと言われて育ってるし、両親の離婚や遺産相続の問題がなくともいつかは変えたんじゃないかなと思う。ちょっと残念なのでいえば、私自分の下の名前がなんかあんまりしっくりきてなくて、名字の方が好きだったから名残惜しさはあるって感じかな。

ただ、手続きをして今日から新しい名字ですってなった日はちょっとよくわかんない感情になった。頭では全部わかってて後悔もしてないのに。説明できないからその日の私のツイートをそのまま引用すると

寝て起きて頭がちょっと整理されたら今までに味わったことない感情の波に晒されてるので、ちゃんと割り切れてるつもりで受け入れてるつもりだった事象もどっかで馬鹿でかいストレスになってんだな

怒ることも悲しむこともないのに、そんな感情の矛先は存在しないのに、それと同等の泣きたいのに泣けない時に近いような、感情のエネルギーが胸の辺りで渦巻いてる感じ

私が心から安堵して身を寄せられる母は家にいないっていうのに。いっそ泣いてしまえば楽だろうが悲しくもないから涙は出ない。大きな胸のつかえが首をしめて呼吸が浅くなる感じ。

とかこんな感じ。雰囲気だけ伝われ。でも今はこんなのも感じずにケロッとしてる。まだ免許証とか銀行口座とか大学の手続きとか、具体的な手続き何もしてないからかもだけど。変えるたびにもしかしたら感じるかも。結構前の名字にアイデンティティなるものが宿ってたから。結婚して名字変える人もこんな気持ちを感じるのかなとか思いながら今は必要書類かき集めてる。

今、いろんな手続きしなきゃいけないっていうわかりやすいマイナス面に直面しているが、加えてあるのは、いいとこの家系というのでまぁなんだかそれなりに縛られそうだぞという気持ちだ。正直歴史は苦手であんまり好きでもないから今まで歴史の話とかお墓の話とか適当に聞き流してたけど、しっかり聞いて覚えなきゃだったり、祖母は作法がしっかりした人でそれを教え込むつもりらしいからちゃんとしなきゃだったり。その辺は変わっていかなきゃだろうなと思う。あとは、今までなんとなくで考えていた「結婚」というものが、一種の責任をまとうようになったこと。しなくてもいいやくらいに考えていたものが、どちらかといえばした方がいい、可能なら私の名字に変えてくれる人と、というようになった。これで私の人生を決めるわけでもないが、私だけの人生でなくなったのは確かだ。

ここまで書くと良いこと少なくね?ってなるのでちゃんとプラス面も書き記そう。第一に祖父母孝行を生きている間にちゃんと形として残るもので実行できたことだ。自分たちの代でつぶさなかったという安心をあげることができた。なんなら続いていくかもという希望まで。父方の祖母には私は何もできなかったなという気持ちが少しあるから余計に強く感じる。次に母の生活が守れること。私にとって一番大切な人。人生をかけて幸せにしたい人。与えられた愛を同じかそれ以上に注ぎたいと思う人。唯一心の底から隣にいて安堵できる人。どんな言葉でも足りないけど、それだけ母に感謝してるし、幸せに生きてほしいと思っている。祖父母と折り合いのよくない母を、私が養子になることで、名字を介した親の呪縛から逃れさせることもできる。急に激重の愛を語る人になってしまった。まあいいか。こんなに大好きな母と義理の姉妹になったことは結構うれしいかもしれないな。あとは、これは私の勝手だが、言葉の通り、生きてるだけで私の存在に価値が生まれたことは大きい。精神よわよわの私は死にたくなることが結構ある。それを引き留める理由が今までは母の存在だけだったのが、もう一つ生きる理由が増えた。私が何もできなくても最悪名前だけでも価値があるって、生きてるだけでいいやって思えるそれは、マイナス面と表裏一体のものだ。私の人生をがんじがらめにするかもしれない名字という鎖は、同時に私をこの世に縛り付けるものでもある。

と、長々と失礼致しました。こんなだが私は今日ものほほんと生きてるぜ!また心境が変わったり面白いことがあったりしたら名字について書くかもだけど、とりあえずこのお話はこれで完結かな。
最後に私の名字になってくれるパートナーor夫婦別姓制度の早急な確立の募集だけしておきますね(*^-^*)
それでは皆様また次の記事でお会いしましょう~~~

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