李在鎬『認知言語学への誘い』より

「さて、認知言語学においても言葉の本質を「意味と形式の慣習的対応」と捉えている。そのため、認知言語学も慣習性を重視しているとみることができ、表面的にはソシュールの考え方を継承しているようにも見える。しかし、その中身はかなり違うので、単純には同一視できない。どういうことだろうか。認知言語学では言語的慣習化の背景にある「動機づけ」を重視する。つまり、個々の語彙や構文に関わる言語的慣習には、そのような言い回しになった理由が存在すると見ており、恣意性の議論とは別方向からアプローチしている。その理由たる「動機づけ」の中身は言語的な要素に限らず、社会的、文化的、認知的な要素を含むものとして考えている。」

李在鎬『認知言語学への誘い 意味と文法の世界』開拓社、2010年、15〜16ページ。

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