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「安い」から「劣っている」ワケではないのだよ

郊外の実家に帰省していたら庭に子猫がやって来た。隣家(空き家)で生まれ、ときどき餌を探してやって来るのだという。人に慣れていないのか、カメラを向けたらあっという間にどこかへ行ってしまった。

為替の影響もあってか、最近「日本が安くなった」的な話題が多いように思える。
先日はネットで「日本の部長の給料はタイの部長より安い」なんてニュースも目にした。きっとその通りだろうと思う。だってタイはいまだに労働者の3割が一次産業(農業・漁業)に従事している国だから。

入国規制の緩和で海外出張して来た人も「日本は安くていいね」と口々に言う。コンビニでワインとつまみを買っても1000円しない、100均でおしゃれかつ機能的なものが買える、清潔・快適なホテルに1万円以下で泊まれる…など。

そんな「コスパの良い」商品を生み出すために労働者が搾取されている、なんて論理もあるが(もちろんそういう人もいるだろうが)、コスパの良い商品・サービスを提供できるビジネスモデルを日本の企業が開発し、それを日本の市場と消費者が育てたのだという視点が聞かれないのがちょっと寂しい。

マクロ経済的に見れば、物価も賃金も上がらない日本は停滞しているのだろう。でも常に安全な環境でコスパの良い商品に囲まれ、清潔で快適な家に住み、1000円以下で本が買える(これが一番大きい)日本は私にとっては良い国だ。
安いからって、決して劣っている訳では無いのだよ。


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