『アイリッシュマン』(2019/アメリカ)
120分以上ある映画は敬遠するのだけれど、スコセッシなら我慢するかと思ってみることにしている…のだが、209分は長い、長すぎる。
第二次大戦後のアメリカ裏社会の史実を基にして製作されたマフィア映画なので、日本人には分からないことが多いです。日本人には馴染みのない内容の長い映画をどうして最後まで観ることができたんでしょう?
それはマフィア役のデニーロやジョー・ペシの演技力のおかけです。とはいえ最初は話が分からずに観るのを途中で止めようかとも思いました。。
一時間ほど過ぎたところでアル・パチーノ演じるジミー・ホッファが登場します。このキャラがとても魅力的で、そこから一気に目が離せなくなりました。
ジミー・ホッファって誰?
当時のアメリカでは誰も知らない人がいないぐらいの力を持っている人で、大統領の次に権力があるそうです。
アル・パチーノが演じているから、てっきりマフィアと思うじゃないですか?
ところがどっこい、この人はカタギです。本当にここからが面白いのでアル・パチーノが出てくるまでは我慢してみましょう。
全体と通して『アイリッシュマン』はスピード感のない映画です。
209分のくせにスピード感なくて大丈夫?って思いますよね。
でも観終わった後にそのコンセプトが分かった気がしました。
この映画そのものが晩年の監督や俳優たちの人生そのものという感じがしたんです。いろんなすごいことをやってきたお年寄りたちの半生を振り返り、これから同じように歳を取る僕たちの人生について考えることが一つでもあれば、この映画は観る価値のある良作なんじゃないか、そんなことを思わせてくれました。
とはいえ、やっぱり長すぎです。スコセッシとノーランとタランティーノの映画を見るときは覚悟したほうがいいですね。
(面白さ:★★★★★★★★★☆)
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