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徳島と小豆島

三度目の徳島へ

今年二月の映画撮影に続き、今度は出張で徳島に行く機会を得た。
私が住んでいる金沢から徳島に行くのは、すんなりと行ける手段がなく、結構な旅だ。なんだかんだで約7時間以上はかかる。
今回は徳島でも更に遠くの、美波町という海亀の町まで行くことになった。
徳島阿波踊り空港から車で約1時間半、到着してすぐに「ひわさ屋」さんというお店でランチを頂いた。
地元では人気のお店だそうだ。

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こちらで食べさせてもらった「阿波尾鶏」のランチは、ザ・定食という感じで美味しかった。

桜町通り商店街

昼食後、この町の商店街「桜町通り」を案内してもらった。
嘗てはとても賑わいのある商店街だったそうだ。
今では商店街というよりも住宅街という印象だったが、移住者の方や地元で商店街の復興を願う人々が、カフェや飲食店を営んでおられた。

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古い家屋や商店をリノベーションしたお店がポツポツと建ち並び、商店街の復興にはまだ時間が掛かりそうな雰囲気ではあるものの、この先に見える薬王寺から一直線に海まで伸びるこの通りが復活したら、とても雰囲気のある商店街になるのだろうなと感じた。
歩いていると「藍庵」というラーメン屋さんを案内された。
東京のラーメン屋さんが行政の町づくりの公募事業に参加して出店したということだった。

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ベタベタと貼られたサイン関係が少しうるさ過ぎるのが勿体無いのだが、店内は良い香りがしていた。
さっきメシを食ったばかりだったが、一期一会かもしれないのでラーメンの小を頂くことにした。

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ここのラーメンは先ほどの阿波尾鶏で出汁をとった薬膳らしい。
ちなみに、薬膳とか医食同源とか、いかにも太古の昔からあるような言葉の歴史は、実はそれほど古くはなく、どちらかというと浅い。
だいたい1970年代から80年代に使われ始めた造語だということだ。
薬膳の歴史はどうでも良いとして、あっさりして美味しいラーメンだった。

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ラーメンもさることながら、私が興味津々だったのは、このバナナジュースだ。徳島産のバナナを丸ごと一本使ったバナナジュースらしい。
徳島がバナナの産地というのも初めて知った。
徳島産のバナナも置いてあって写真を撮りたかったのだが、生産者さんから写真はNGと言われているらしく、残念ながら断念した。
そのバナナは一本400円もするらしい。高ぇ

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町を歩いていると、唐突にウォールアートが現れた。
ドラクエでスライムに出くわした気分だ。
町の人たちはどう思っているんだろうか。

薬王寺

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薬王寺をお詣りして、町を望むと、そこは素晴らしい景色だった。
昔の人もここからの景色に見とれていたんでしょうね。

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この先の海岸には海亀が来るらしい。
海亀にも会いたかったなぁ。

このあと、徳島県の行政や市民の方々とお話をさせて頂いた。
その質疑応答の時に「なにかコラボしたいです」と言ってくれた若者が居て、後で知ったのだが徳島県はサーフィンのメッカだそうで、その筋では有名なんだそうだ。で、その若者もサーファーで、サーフボードのシェーパーなのだそうだ。これまでの作品も拝見させてもらったところ、すげぇカッコ良かった。
そういえばアテンドしてくれた県庁職員の方もやたらに日焼けしてるなと思ったら、やはりサーフィン歴40年とのことだった。
知らなかったよ、徳島。

晩御飯

公共施設での講演と座談会を終え、夜は地元の居酒屋さんで食事。
そこで唐突に謎のおにぎりが登場した。

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どう見ても、きな粉のおはぎ。
もちろん甘い。
ところが、である。
頬張ると、中から意外なものが出てきた。

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なんと梅干し。
美味いのかどうなのかも考える隙を与えない料理だ。
ここらへんの土地の名物料理なのかと尋ねると、そうでもないという事だった。ここんちのお婆ちゃんが、たまに作る料理ということだった。

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食い意地の張った私は、壁面手書きメニューの「自家製カレー」の文字に目が釘付けになっていた。どのお店でもカレーは自家製だろうし、そこをわざわざ強調するあたりに本気度を感じる。
会食もそろそろ終わりだろうな?というタイミングで、つい注文してしまった。しばらく待って出てきたのが、上の写真のカレーだ。
徳島とは思えないほど辛い。※徳島の辛さに詳しいわけではない。
ストックが切れていたので即席で作った。という割には本格的に美味い。
カレー屋にすれば良いのに。と思った。

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その夜は、美波町の古民家をリノベした宿「お宿 日和佐」に宿泊した。
風が強く、一晩中ガタガタと家が鳴っていたが、長旅だったのですぐに眠ってしまった。

徳島二日目

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翌朝、7時半から移動とのことで叩き起こされ、阿南に新しく出来た『NuuN』というカフェ&コワーキングスペースに案内された。
この場所はクラファンで資金を集めて作ったらしい。
友人で映画監督の菱川勢一が阿南の商店街の方々とトークを繰り広げている間に、私は地元のドラゴンフルーツをご馳走になっていた。

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完熟のドラゴンフルーツってとても美味しいんですね。
いくらでも食べられる感じだった。
オリジナルラベルの地ビールみたいなのもありましたが、私は飲まないので写真だけ撮った。

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阿南市 大井町

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向かった先は阿南市の大井町という山間部の町。
ここまでの道のりが秘境のジャングルクルーズのような道だった。
到着してみると、ハイジが動物と遊んでいそうな素敵な場所。
ここには移住者が増えているらしい。

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川の水も綺麗だし、毎日ここの山の緑を見ていたら目が良くなりそう。

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このコロナ禍でも徳島だけあって、お遍路さんの姿をよく見かけた。
お遍路さんは例年では外国人観光客の方々が多いのだそうだが、さすがに今年は殆ど居ないとのことだった。

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このあたりで縄文遺跡と弥生時代の遺跡が発見されたとかで、是非また機会を見つけて訪れてみたい。

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よそ見をしていたら川に真っ逆さまに落ちてしまいそうな橋を渡り、市街地に移住して、つい最近珈琲ショップを開業したという方を訪ねる。

カモ谷製作舎

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住居に隣接した倉庫を改装して、珈琲豆の焙煎機を導入してショップになっていた。お店の中はコーヒーの良い香りが立ち込めていた。
ここのご主人は東京でコーヒーマシンの営業をしていた方だそうだ。

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元々この倉庫の中にあった机や作業台を再利用してディスプレイにしている。ツバメの巣の跡も残っていて良い雰囲気だ。
この店の一角で奥様の裁縫製品の販売もされていた。
お話を伺うと、お二人とも徳島のご出身で、東京で働いた後にこの土地に移住してきたそうだ。移住というよりUターンの方が正しいのかもしれない。
私の場合はUターンでは無いものの、10年前に子育てや、自分のライフスタイルを考え、東京から金沢に移住をしたので、その選択は何となく分かる。

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お店の外でオリジナルブレンドのコーヒーを淹れて頂いた。
私はコーヒーは好きだが、人様に語れるほど詳しくはない。
プクプクと泡立つコーヒー豆からポタポタと垂れるコーヒーを見ながら香りを楽しむ。コーヒーそのものよりも、この時間が好きだ。

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こうして徳島をあとにして、四年ぶりの小豆島へ向かった。
小豆島には私の仲間で渋谷信人という男が約7年前に移住して、草壁港前の丘の上でイタリアンレストランを営んでおり、結構な人気店となって頑張っている。

小豆島に島着

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菱川さんの車で高松港から小豆島の草壁港行きのフェリーに乗船し、くだらない話をしながら約50分の船旅を楽しんでいるうちに到着した。
渋谷はイタリアンレストランの他に、草壁港の真ん前でジェラート屋も経営しており、観光客だけでなく地元の方々からも愛されているらしい。

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古い商店を改装した「MINORI GELATO」というお店だ。
四年ぶりに小豆島に着いて早々で悪いけど、さっそく食わせろ。と、二十種類ぐらいあるジェラートの中から二つ選んで食べさせてもらった。
島でもPay Payが使えるらしい。

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柿ともうひとつが何だったか思い出せないが、すこぶる美味い。
ジェラートもやはり作りたてが美味い。

少し疲れたのでホテルで一休みしてからディナーにしようということになり、町なかをドライブしながら向かう。
前回も思ったのだが、小豆島は「島」であることを、つい忘れてしまう。
車で走っているとポツポツとちょうど良い感覚でコンビニはあるし、車のディーラーとかドラッグストア、ホームセンターもある。
この町は産業も盛んだし、歴史的な建物も数多く残っていて、有効活用されている。人口は1.6万人ぐらいだそうだが、ちょうど良い規模感で観光も経済も回っている感じがするのが良い。

Ristorante FURYUへ

渋谷くんがやっているイタリアン・レストランの名前が『FURYU』
19時半からのディナーでお店に行くと、ほぼ満席だった。
地元のご家族や、別荘に来ているご家族だそうだ。

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島の食材をふんだんに使った小豆島イタリアンのコース。
肉はオリーブ牛。
オリーブ牛を初めて食べたのは、渋谷が小豆島に移住してすぐに地元食材をあれこれ送ってくれた時だった。
オリーブの実を食べさせて育てた牛だそうで、だからといってオリーブの味がするわけでは無いが、とても美味しい。
私がオリーブばかり食べていたら、どんな味になるんだろう。

夜空

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食事を終えて店の外に出ると、とんでもなく星が綺麗だった。
三脚もなくiPhoneしか持っていなかったので、写真に撮れるかな?と思いながら試してみたところ、この通り。
iPhone 12 Pro Maxの性能は恐ろしい。
普通のカメラではこんな風には撮れなかったかもしれない。

いいところだった。

これまで仕事やプライベートで、47都道府県全てを訪れてきたのだが、やはりまだまだ知らないことばかり。
全て行った気になって知ったかぶりなんかしていられないな。
と、改めて思った。

※ちなみに写真は全て iPhone 12 Pro Maxで撮影

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