『The King〜永遠の君主〜』11話感想

私が今一推しのNetflixドラマ『The King』を勝手にご紹介する11回目、11話です。

他の回の記事はマガジンにまとめてありますので、ご興味のある方は是非ご覧下さい(^ ^)


さあ、私がこのドラマで最高にカタルシスを感じた11話がやってきました。
この回を見て面白くなかった方は、もう見なくて構いません。
パラレルワールドだったり、復讐だったり、見所は色々ありますが、私にとってこのドラマはロマンスです。
ロマンスのカタルシスが最大に炸裂するこの回を見るためにこれまでがあったようなものです。
そして、素晴らしいシーンなので、このドラマお得意のフラッシュバックが次回にもちゃんとあります。

11話、12話、堪能しましょう♡


始まりは、ヒロインの女性刑事チョン・テウルの大韓帝国側の対、ルナがとうとう逆賊イ・リムの手に落ちます。

彼女が余命幾ばくもない身であることまで調べ上げており、「もう一つの世界に別のお前がいる。彼女は健康で家族に愛されて育った。別の自分にならないか」と持ちかけます。
将来に希望のないルナには、断れない誘いです。

ドラマの尺の都合上でしょうが、ルナの凶悪な顔はあまり描かれていなくて、イ・リムの言葉に惨めさを噛みしめ涙を流すとか、どうしても彼女のことは不憫に感じてしまうんですよね。

一方、唯一の肉親(家族という意味で)だったプヨン君を殺害され、絶望しながらもことの次第をはっきりさせたい皇帝イ・ゴンですが、ク総理により皇帝がしょっちゅう無断で皇宮を空けていて問題だという偽(でもないですが)ニュースを流されてしまいます。
急ぎ大韓民国へ行きたいところですが、足止めです。

総理は皇后になる夢をばっさり拒絶され、また裏ではリムによる密かな工作が始まっていて不気味な存在となっています。


この辺りには、プヨン君の検視報告を聞いたゴンが、一人厨房で泣き崩れるシーンもあり、イ・ミンホの演技力に泣かされます。。。
ところでプヨン君は素晴らしい人でしたが、その息子は皇室の莫大な財産と皇位に目が眩んでおり、ゴンによりキッパリ今後の入国禁止を言い渡されてしまいます。
この息子には娘のセジンがおり、ゴンはセジンを皇位継承2位にします。
ドラマには直接出てこない人ですが、この皇室も皇位継承には苦労していますね(^_^;)
そして、前回二度目にテウルに会いにきたゴンが、ちょっと時系列的に怪しいと書きましたが、やっぱりそうでした。
 テウルのモノローグでわかるのですが、あの時のゴンは、違う世界から来たのではなく、違う時間から来たのだ、と言うのです。
これは、後々説明できると思います。


プヨン君の行動記録から、リムのアジトと見られる古書店が判明し、ここで今回一度目のゴンの皇帝モードのスイッチが入ります。
スイッチが入ると、いつもの優しい彼からは想像もつかないほど、非情で、敵の殺害も全く厭わない峻烈な君主イ・ゴンになるんです。

ここで、民国から連れてきた工作員たちに古書店のことを尋ねるのですが、食堂の店主だった方は太々しい態度を崩しません。
ゴンも明確な回答を望んでいたわけではなく、その男を斬首せよと近衛隊に命じます。
1920年に廃止された打ち首ですが、なんと帝国には皇帝特別法というものがあり、「皇帝の言葉はそのまま法になる」のです。
廃止は、皇帝の一存で簡単に翻す事ができるものだったわけです。
ゴンはよく冗談で「打ち首だ」と言っていましたが、道理で近衛隊長ヨンが言われた時、真面目に逃れようとしていたはずです(^_^;)


工作員を斬首刑に処したゴンは近衛隊を武装させ、古書店を取り囲んで一言、副隊長(隊長の代わりになりすましている民国のウンソプは負傷で入院中なので)に命じます。

「殺せ」

ここがイ・ミンホ様だなあと思うのですが、命じると言っても勢いよく叫ぶんじゃなく、前方を睨み据えて、ただ囁くんです。
皆殺しの囁き…(汗)

日本人から見るとこのシーンはビックリで、本当に銃を持った近衛隊員たちが銃を撃ちながら入って行きます。
最後尾に眼光鋭いゴンも堂々とついて行きます。
銃弾が飛び交っているんですけど…( ̄◇ ̄;)
とにかく近衛隊が躊躇いなく撃ち殺して行くし、ゴンもその只中に当然のようにいて、事態を睥睨しています。

古書店にも工作員が少しは潜伏していたのですが、全員殺害。
店主として潜伏していたのは、元々は帝国の人間で、リムにしたがって謀反を起こし、その折左肩を撃ち抜かれていました。
しかし殺害された店主には傷跡はなく、ゴンは民国の対と入れ替わっていたと気づきます。

片方の世界の人間が、もう片方の世界の「自分」をどんどん殺している。
そう確信したゴンは、更に武装レベルを上げた召集をかけます。
次はテウルが危ないと気づいたのです。


その通り、テウルは毒を盛られ、大韓民国の自宅から帝国へ拐われてしまいます。
縛られたまま倉庫のようなところで気付いたテウルを助けたのは、例のヨーヨー少年。
この子は神様っぽい感じなので、どうしてそこにいたの?とか躓いてはいけません。
彼は世界のバランスを取るために、あちこちに出向いているのです。

少年にもらったナイフで脱走を図り、しっかり工作員の銃と車のキーも奪って逃げ出すテウル。
この辺り腕力も含め凄腕のスパイ並みで、この時のためにテウルをテコンドー道場の娘にしたのかなあなんて思いました。
強い(^_^;)

車窓から見た看板で、自分が帝国にいると気付いたテウル。
皇宮は的が大きいですから(^_^;)、初めての道路でもわかります。
しかし途中でガス欠のため車を放棄するしかなく、薬が完全に抜けないまま、テウルはよろめく足取りで皇宮へ歩き出します。

このドラマでよく出てくるアイテムが、公衆電話です。
最初にテウルが帝国へ行った時も、電車賃がなくて公衆電話からゴンに17回も電話しようとしていましたが、今回は新年のため、公衆電話に「皇帝陛下に新年の挨拶を」というステッカーが貼ってあります。
その番号へメッセージを吹き込む、必死のテウル。

ただでさえ弱っているのに、テウルの逃亡を知ったリムの命令で、工作員が大挙して追っています。
そのうちの一人が運転するトラックに追突されるのですが、ここでも超人的な頑張りを見せ、なんとか撃退するテウル。
しかし、もうボロボロです。
立っているのもやっとなのに、テウンの耳には自分に駆け寄ってくる大勢の敵の足音が…

絶望の表情で銃を構えるテウルですが、頭上にはヘリコプターが、そしてポリス、SWATの車両が次々乗り付けます。
軍装の彼らが銃を構え、リムの配下たちの動きを封じると、白馬を中心とした騎馬の一群が…


もう、ここがロマンスなんですよね。
大韓帝国も立派に現代なんですが、なぜ騎馬で…?!

しかし、とてつもなくカッコいいので、もう仕方ないんです。
監督も、絶対このシーンは早い段階で考えていたはず。
あざといも最上級のあざとさで、ロマンスコミック も真っ青なシーンを、堂々とドラマでやってしまいました。

ありがとうしかありません。


黒いロングコートをなびかせ、先頭を駆けるゴンが鬼気迫る表情で叫びます。

「必ず守るのだ、皇后になられるお方だ!」


どうですか。
現代の街中で、騎馬の皇帝にこれを言われたら。
テウルは世界一、いやどの世界でも一番の幸せな女性です。

ゴンのカッコ良さは止まりません。
馬上でギラリと長刀(なぜ長刀?!)を抜き、工作員の一群に容赦無く雪崩れ込んでバッサバッサと切り捨てて行きます。
それだけでは足りず、ひらりと馬を降りて敵を切り倒しながらテウルの元へ進んでいきます。
周囲を囲む近衛隊も皇帝に続き、凄まじい状態になっています。
は、白兵戦ですか、現代ですよ…!?

まあ、工作員もかなりな人数だし、ここで撃ち合いは厳しそうですが、そういえば深夜っぽいとはいえ、広い道路に車も通らないし、一般人もいない。
多分皇帝の命令で堰き止めているんでしょうけど、だったら工作員の一群はどこから…とちょっと突っ込むのはヤボですか(^_^;)

血と汗と涙でボロボロのテウル、決死の形相で駆けつけたゴンが間に合い、二人は固く抱き合います。

私がこのドラマ最大のカタルシス!と太鼓判を押すこのシーン、まだまだ12話へと続きます。

最後に、そのシーンだけを切り取ったお宝映像がありましたので、貼り付けておきますね。


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