『The King〜永遠の君主〜』15話感想

私の一推しNetflixドラマ『The King』を勝手にご紹介するマガジンです。


ドラマも残すところ、これを入れて2回となりました。
長い様な、でもパラレルワールドという複雑な構成を思うと短い様な…
イ・ゴンとチョン・テウル、そして愛すべき彼らの友人たちに会えなくなると思うと寂しいですね。

前回は、テウルがお腹を刺されてしまい、入院するのですが、ルナを捕獲するために病院を抜け出します。
シンジェたちの助けもあり、無事捕獲。
ルナはまたリッチな友達、ナリ所有のビルに監禁されます。

しかし、テウルは看護師に怒られながらも、なかなか病室へ入ろうとしません。
「待っている人がいるんです」

テウルが待ちわびる彼、ゴンはやっとテウルの時間にたどり着きました。
止まった時の中を駆け足でテウルの奉職する警察署へ駆け込んできたゴンは、カレンダーで日付を確かめ、テウルの居場所をテウルの同僚たちに訊きます。

そして、病院の入り口で彼を待ち続けるテウルのもとへ…


ちなみにこのシーン、ドラマでは短いのですが、ゴンが長々と走るところも撮っていて、走るイ・ミンホも大変だし、スタッフさんたちも重い機材を操りながら全力疾走していて(イ・ミンホより足の長い人は多分いないから、本当にお疲れ様!)。

あんなに労働したのに、ドラマではカットされていてかわいそう(^_^;)

とにかく、長い時を経てやっと会えた二人。

長距離恋愛だけに、二人が再会するシーンはいつも涙がつきものですが、このシーンのゴンは最も辛かった気持ちが伝わってきました。

長い時間、一人で考えながら二つの世界を行き来しなくてはならなかったし、テウルに再会できる保証はない。
すごく頑張ってやっと彼の愛するテウルの時間にたどり着いたのに、当の彼女は腹を刺されて入院中。

しかも、会えたからと言って、それで終わりでは無いのですから。


しかし、流石に車椅子のテウルを残して、自分の戦いへは行けません。
以前とは打って変わって、ゴンの服の端っこを掴んで離さない、みたいな甘えん坊さんになってしまったテウルです。
テウルもわかっています。
ゴンは、また謀反の夜へ戻ってイ・リムを成敗しなくてはならない(既に世界の綻びが現れ過ぎている)のですが、それが成功すれば世界は更新され、テウルの記憶からもゴンは消えてしまうのです。

しかし、いつまでも彼を引き止めておくことはできず、テウルは涙ながらに必ず自分の元へ戻ってくることを約束させ、ゴンを引き止めるのを諦めます。

長らく大韓民国に引き止められていたヨンも、自分の対ウンソプやその家族との別れを済ませ、まずはゴンと共に、民国にいたリム捕獲作戦を実行します。

その前に、ゴンはヨンの働きで、民国側の実母の対の女性と会う機会がありました。
リムが工作用に生かしている女性です。
女性は自分の息子が8歳でリムに殺されたのは、息子が大韓帝国という世界の皇帝の対だったからだと知っています。

自分の亡き母とは別人ですが、やはり生き地獄に飼い殺されている女性を見過ごせないゴン。
助力を申し出たゴンに、女性は「助けてくれるなら、あなたの母親の忌日行事の2日前に来て」と言います。
リムは、その日に女性を連れて大韓帝国へ渡り、ひと騒動起こすつもりなのです。

その日、女性はリムに毒入りの食事を作り、あえて自分が(毒味)食べて見せて、リムも口に入れるのを見守ります。
女性は毒で死にますが、リムは血を吐きながらも大丈夫そうです。
しぶとい(^_^;)

その時、時が止まります。
ゴンは帝国へ戻っていたのですが、再び民国へ渡ってきたのです。

猟銃を持って家の外へ出るリム。
街で動くものは、リムの方へと歩いてくるゴンだけです。
時が止まっているため猟銃は動かず、時が動き始めた瞬間を狙って、ゴンを補佐するヨンの銃が、リムの足を打ちます。
ゴンの力を借り、帝国へ渡って実母に再会、別れを告げたシンジェも協力しています。

ここからがパラレルワールドと竹笛ルールの錯綜で、一度見てもなかなか頭に入らなかった展開が続きます(^_^;)

ゴンたちは、リムの笛を召し上げ、帝国へ連行しようと考えていたのですが、なんと竹笛は、持ち主以外の者が持っても、扉が開かないことが判明します。
長い時間、それぞれの血が染み込んで、持つ者を選んでしまったのでしょう。

しかし、ゴンが二つに割れた両方を持って扉へ近づくと、完成された扉が反応します。
リムにとっては、その扉こそが目的。
ゴンに、恩讐を忘れ共にそこへ入ろうとかき口説きますが、ゴンの目的は、謀反の夜へ戻ることです。

二片の竹笛を持っていても、あの夜に戻ることができる「笛の音」が全く聴こえないのです。

謀反の夜に戻るには、ゴンとリムがそれぞれの一片を持って1と0の間の空間に入らなければなりません。

ヨンとシンジェはそれぞれ自分がリムを連れて(銃を突きつけていなければなりませんから)そこへ行くと申し出ますが、それは死ぬかも、それとも永遠に異空間から出られないかもしれない道行きです。
ゴンはそんな犠牲は想定しておらず、苦悩します。

そこで、1話の最初のシーンになるわけです。
リムは、いったん大韓民国の警察で取り調べを受けることになります。
彼を、この世界の法律で捌くことはできないのに、です。

一方、帝国へ戻ったゴンは、自分にもしものことがあった時のために、プヨン君の孫娘セジンを、皇位継承権第二位にするよう命じます。
しかし、リムの工作により時既に遅く、セジンは滞在先のアメリカで、交通事故(リムの工作員による)で命を奪われてしまいます。
ますます追い詰められるゴン。

両方の世界で、少しずつ過去が更新されていきます。
綻びは、もう待った無しの状況です。

大韓民国では、テウルは密かに監禁していたルナを解き放ちます。
自分がいない間、アボジをよろしくねということです。

リムは、シンジェが1と0の間の空間に連れて行く予定でしたが、テウルはかき口説いて自分が代わりに行くことに。
もしゴンが失敗すれば、リムが勝ち、自分はどうなるかわかりません。
しかし、成功しても、彼女の記憶からはゴンが消えてしまうのです。

そのことを思うと胸が痛むテウンですが、ゴンを失えば生きながらえても仕方ない、という悲壮な覚悟です。

私だったら、あんな科学で説明のつかない空間に殺人鬼と二人きりなんて地獄(T ^ T)、どうやって帰ればいいのとか心配で絶対無理だと思いますが。
みんな、生き様が美しいです。


そして、ラストが迫ります。
「最も誉高い瞬間に着る」礼装で、白馬に乗って竹林へ向かうゴン。

前回は、幼いゴンが見た通りの、黒ずくめの男の姿で謀反の夜へ行きました。
しかし、同じ条件で同じことをしても歴史は変わらない。
ゴンは、一応以前と同じ条件にしなければ、事がどう転ぶかわからないと思ってはいるのですが、結論から言うと、こうして条件が変わったことがこの物語のラストへと導きます。

大体、ゴンも前とは違う衣装を着ているわけだし、これが最後のチャンス、と壮絶な決意をしていたと同時に、どこかでそれをわかっていたんじゃないかなと思います。


竹林には、やはり騎馬のヨンが待っていました。
絶対にゴンを一人では行かせない、と、ヨンもまた堅く覚悟を決めています。
ゴンも、幼い頃から苦楽を共にしてきたヨンの決死の願いを、拒絶することはできないのです。

テウルが入院中、テウルはゴンに「何もかも忘れて、お互いの世界を行き来して今日を生きよう」と頼みます。
テウルらしくないですが、そこまで追い詰められていたんですね。

ゴンの望みが叶ったとして、二人の幸せとは別の話です。
多くのものを犠牲にし、何の保証もない戦いですが、全てを背負って謀反の夜へ向かうゴンの背中の厳しさ…

これは、実は1話に出てくるシーンなんですよね。
ここまで見れば、あの時の壮絶な決意を秘めたゴンの表情の意味が、また改めて理解できると思います。

また、年齢的にも大人の俳優になったイ・ミンホだから演じることができた、深みや迫力なんだと思います。
私は、このドラマでイ・ミンホを久しぶりに見たのですが、本当に大人に、良い大人の顔になったなあと何度も思いました。
彼の演技力なしに、この皇帝イ・ゴンは存在し得なかったと思います。

次は、いよいよ最終回、16話です。


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