『The King〜永遠の君主〜』9話感想

私が一推しのNetflixドラマ『The King』を勝手に紹介する9回目、9話です。
マガジンにもまとめているので、良かったら他の回もご覧下さい。


前回は、ヒロイン・テウルが「兄貴」と慕うシンジェ刑事が、実は大韓帝国の人間で、少年の頃謀反人イ・リムに大韓民国へ連れて来られたようだ、と言うことが発覚します。

ここでその理由を説明すると、リムは帝国でシンジェの母親を工作員として皇宮に潜り込ませ、その息子を民国側の対の両親、つまり本当のシンジェの両親に預けます。
民国のシンジェはその時意識不明のまま一年間も寝たきりになっており、母親が参っていたのです。
民国の父親がリムの誘いに乗り、「元気な息子」と取り替えた、と言うことです。

帝国のシンジェ(本当は違う名前ですが)の母親は生活に困窮しており、息子と無理心中する寸前をリムにリクルートされ、息子を引き渡したのですが、工作活動の報酬として、民国で元気に過ごしている息子の写真を受け取っています。
しかし、民国のシンジェの家族も、結局色々あって不幸になっているんですけどね。

シンジェも以前から自分は何かおかしいとは思っていて、そのため密かに精神科にかかったこともあるくらい。

事実がわかったところで慰めになるものではなく、ショックで21日間の有給休暇を取り、行方をくらませてしまいます。

とは言っても行くところはなく、知り合いのチンピラの経営するバーで酒浸りになるくらいなんですけどね(^_^;)


そんな中、皇帝イ・ゴンとテウルの、束の間の恋人らしい時間は終わりを告げようとしています。
この二人も、この頃になるとお互い気持ちを積極的に表現しようと言う感じになっています。
それにしても、このドラマだけなのか、韓国ドラマ全体的にこうなのか、ラブシーンはお行儀がいいですね。
私はどちらかと言うと欧米のドラマばっかり見てきたので、あちらはすぐ激しいラブシーンに突入するのが当たり前で(^_^;)

かと言って、同じことをして欲しいかと言うと微妙ではあります。
もしかしたら、俳優イ・ミンホに品の良さを求める雰囲気があるのでしょうか。
まあ、時に狂気のような演技を見せる浦井健治くんも、ラブシーンになると色気が客席へ散ってしまうみたいな感じもありましたし、ラブシーンって難しいのかもしれないですね。

私がこのドラマで、ロマンス的に、ラブシーンとしてすごい!と思うのは、二人向き合ってイチャイチャしている時ではありませんでした。
そう言うシーンがお得意なのは、韓国人の俳優さんで言うと、イ・ジュンギとか色気もあるし、イメージかな。
勝手なイメージですけど。

ラブシーンとしてはほのぼのとした(そしてちょっと切ない)今回ですが、この回はラストに私お気に入りのすごくカッコいいシーンが待っています。
やっぱり、イ・ミンホはこのドラマでは、眼光鋭く皇帝モードになった時が最高です(^ ^)

イ・ゴンには年に一度の総理との年末決算の会合が待っているし、民国側で工作員を捕獲したので、連れ帰らねばなりません。
テウルが見せてくれた資料から、帝国で彼の厩舎の職員に化けて潜入していた工作員も思い当たります。

その前に、ついにゴンは謀反人リムと、捕獲した工作員が持っていた携帯電話を通じて直接通じます。
お互いにいてはならない大韓民国におり、ゴンとしては必ずお前を止めて見せる!と言う宣戦布告のシーンです。
戦いの火蓋も切って落とされました。

帝国へ戻ってすぐ、ゴンは民国で捕獲してきた男と、厩舎に潜入していた工作員を然るべく拘束します。
隣にいるのはヨン、ではなくウンソプです(^_^;)
すっかり髪の毛を刈り上げ、見た目はヨンそのものですが、言動でちゃんとウンソプになっており、やっぱり演じるウ・ドファン上手いです。

皇帝の親衛隊長を演じるなんて簡単に真似できないと思うのですが、ゴンが密かに侵入を試みたヨンのパソコンのパスワードを秒で引き当てたり、ウンソプにも意外な才能があるようです。
ゴンはヨンが集めたテウンの偵察動画を眺め、殺伐とした状況ながら心の慰めとしています。
健気(^_^;)

でも、ここは単なる覗き見シーンではありません。
あとでフラッシュバックするのですが…

この段階で、ゴンはリムの今の顔を知りません。
謀反の夜から25年経っているので、普通なら70歳の老人になっています。

何か見落としている、と考え込んだゴンですが、テウンの何気ない一言を思い出し、もしかしてリムは歳をとっていないのではと閃きます。
パラレルワールドの間には不思議な空間があり、そこでの1日は帝国の2ヶ月になってしまうのです。

一緒に見ていたこのところの監視データの中に、ゴンはあの頃のままのイ・リムの姿を見つけます。
ゴンの、ほんの近くまで来ていたのです。

私も、どうしてリムが25年行動を起こすのを待っていたのかなあ?と思っていたのですが(時間が経つとゴンが大人になって戦いにくいし)、まあ謀反は成功したとは言えないため、配下も減ってしまったし、当時は逃げるだけで精一杯ですよね。
力を蓄えるのに時間がかかったのと、歳を取らない人間など説明がつかず、ゴンが裁きたくてもなかなか難しいことにはなります。
リムとしては、不老不死、そしてパラレルワールドの全てを手に入れる!と言う壮大な野望を持っているわけで、ゴンもようやくその野望に気づきます。

リムが歳をとっていない、と言うことに気づいたゴンは、ちょうど新年であることを利用し、リムを探す行動に出ます。
それがラストシーンです。

小雪の舞う夜の街のど真ん中、白馬に跨って人々の前に現れる皇帝。
新年のお祝いに街に出ていた人々は、大喜びで周りを取り囲みます。
次回でわかるのですが、これはゴンが広報に命じて、わざわざ「新年のお散歩」をするとSNSで告知しているんですね。

ゴンは、また時が止まるのを経験しているので、リムがこちら側へ戻ってきているのを知っています。
前は「世界と世界を通り抜けた」瞬間に止まっていたわけではなかったと思うのですが、この頃には移動と同時、と言う感じですね。

リムもまたSNSで街に引き寄せられ、わざわざ皇帝の前に姿を晒します。
二人の、25年ぶりの邂逅です。

黒いコートの襟をハイネックに立て、鋭い目線がリムを射抜かんばかりのゴン。
この時の彼の表情は凄まじいです。
イ・ミンホといえば目の演技が魅力ですが、いつもの切なさや繊細さではなく、強い怒りの演技を見られて、私も本望です。
お祝いムードとは真逆の、非常に険呑な、厳しい目線を群衆に走らせる皇帝イ・ゴンのシーン。
本当にカッコいいので、是非ラストまで見て下さい。

私が最高にカタルシス!と思っているシーンは、10話かと思っていたのですが、11話の勘違いでした(^_^;)
なのでもう1話ありますが、次はまた衝撃的な事が起こりますので、是非ドラマを見て下さい。

次は10話です。


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