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お勧めNetflixドラマ『秘密の森』

最近シーズン1を見終わったNetflixドラマ『秘密の森』が評判に違わずとても面白かったので、相変わらず誰にも頼まれていませんが(笑)ご紹介します☺️

検察庁きっての天才か、あるいは愚か者かと新人の頃から一目置かれてきた検事ファン・シモク、そして(考えてみれば職場で)紅一点、日々犯罪者検挙を頑張る正義漢の人ハン・ヨジン刑事二人が主人公と言っていいでしょう。

しかし、恋愛要素はゼロ。

一体誰が真犯人なのか、悪とは、そして正義とは何なのかを登場人物たちがもがきながら追うサスペンスミステリーです。

元々私はこのドラマのことを、韓国ドラマを紹介する記事で知りました。

私の記憶なので間違っていたら申し訳ないのですが、このドラマの脚本家はこれがデビュー作、会社員だったのを退職、1年間図書館に通って書き上げた…と読んだ気がします。

少なくとも、これが第1作だったのは間違いないようです。

主演のシモクを演じるチョ・スンウも、この脚本に非常にフレッシュな衝撃を受け、出演を決意したようです。

ドラマでは検事として地味なスーツばかりですが、この記事のチョ・スンウはめっちゃ素敵なのでぜひご覧ください↑

私は知らなかったのですが、ミュージカルスターでもあるそうで、鼻にかかった感じだけどいい声だなあと思っていたので納得です。
舞台も見てみたいなあ。

昨今の韓国ドラマはまず脚本、そしてキャスティングは後に来るという話ですが、このチョ・スンウのシモクが本当にぴったりなんです。
多くの紹介記事に「子供の頃に脳手術を受け感情をなくした」とありますが、間違いです。
ドラマでも、一度倒れてしまった彼を診察した医師が

「感情はあります。ただ(感情を表す部分を一部切除しているため)うまく表せないだけで。だから(感情が高まってしまうと)こんな風に倒れてしまう」

と説明しています。
これを知って(私も最初は感情がないのかと思っていたので)、彼の心情を思い切なさが募りました😭

ファン・シモク検事は常に無表情で、全く感情を表しません。

実際に心配り、忖度というものを全くしないので、「正義」「法」だけを目標に動くことができ、金や権力の誘惑に揺れまくっている同僚たちに疎まらしがられたり、一目置かれたりしています。

そんな中、殺人事件をきっかけに一緒に仕事をするようになった女性刑事ハン・ヨジンは正義の感性が合ったのか、彼の無反応も全く意に介さずフレンドリーに接するようになります。
彼女の奉職する警察も内情は同じで、正義を貫く難しさにもがく彼女にとって、シモクのブレない姿勢に大いに共感したのでしょう。

ドラマは、ある殺人事件を発端に、警察、検察内部の犯罪を探る特捜チームの捜査が中心になっていきます。

抜擢されてチーム長になったシモクの元に集まった(彼が集めた)面々は、実は「怪しいので手元においた」人物もおり、油断も隙もありません(^_^;)
そんな中、シモクを先輩と慕い、チームにも入りたがっていた後輩の女性検事が惨殺されて発見されます。
そこが、表情を現さないシモクが、最も激情を内に抱えたシーンでしょう。
倒れるのもここで、これが、彼にとっての慟哭だったことがわかります。

このドラマは脚本が秀逸です。

登場人物も、犯罪を犯したのか?犯していないのか?悪なのか?善なのか?とにかく一筋縄ではいきません。

面白いのが、シモクが寡黙なため、あえておしゃべりな人物をそばに置いて状況を説明させるシーンがいくつかあったことです。
シモクのモノローグもあるのですが、とにかく寡黙なのでモノローグの多用も憚られたのだと思います。

チョ・スンウは、最初「時代劇が似合いそう(実際『馬医』の人だった!)」と思ったように、今風のイケメン俳優さんとはちょっと違うレトロな雰囲気の美男ですが、こんな寡黙で無表情な役を演じて、非常に魅力を感じさせるなんて、本当にすごいと思いました。
演技力に自信があったのでしょう。
上のリンクのインタビューでも「感情を表す役が多かったので、チャレンジしたかった」と言っていますが、このチャレンジをして撃沈した役者がどれくらいいることか。。。(^_^;)
脚本もすごいですが、主演の演技力も恐ろしいです。

私にとって初めて見たチョ・スンウの印象が強かったので、彼のことばかり書きましたが、もう一人の主役ぺ・ドゥナも大人キュートというか、ナチュラルな魅力でドラマをとても見やすく導いてくれました。
おじさんばかりだと辛いですからね…(^_^;)
小顔と長身には目を奪われましたが、もちろん可愛いからということではなく(可愛いですが)、彼女の真っ直ぐな正義漢、誰にでも優しい、情に厚いところなど、殺伐としたドラマの中で心が癒されます。
もちろん刑事としても優秀で、何度も鋭い推理を働かせます。

ノーメイクで飾らないヨジンですが、ファッションは結構おしゃれで、雑誌でいえばGISELe系ですね。
住んでいる部屋も素敵で、韓国ドラマにはよく出てくる感じの古い屋上屋というか、テラスパーティが開けるスペースがあったり、そこで殺人の被害者の母親と一時同居したり、お得意のイラストがたくさん飾られた温かい部屋です。
しかし、ラスト地方へ飛ばされたシモクから彼の部屋を借り受け、引っ越すようですね。
*『秘密の森シーズン2』を観ていますが、結局シモクの部屋は他の人に貸し、ヨジンは借りなかったようです


シモクの部屋は、なんと分譲マンションをしっかり購入していたようですが、内装の作り自体は結構おしゃれです。
男の一人暮らし、そしてシモクらしく、使い方は素っ気無いですが…

実は、最初は吹き替えがないこともあり、前半は結構ながら見できちんと見ていないんです。

それでも引き込まれて後半はすごく楽しみに見ていたので、やはりそこは登場人物の書き込み、魅力の描写に力があったことが大きいでしょう。
ストーリーは、生きた登場人物が動かすものですからね。

主役に「脳手術で感情がなくなり(無くなってないけど)、誰にも気を使わず正義を追求する検事」という設定を行ったことがまず秀逸です。
このおかげで人間離れした、まるで超人のようなヒーローが誕生し、多くの場合つまづくところが乗り越えられるようになり、また、彼のそういう傾向を利用した計画を作ることができました。
全くリアルな人間臭い舞台ながら、やはり一人の飛び抜けたキャラクターがドラマを抜きん出て面白いものにしてくれた、見る者を見たことのない世界へ連れて行ってくれたのです。
彼と出会う人出会う人が、「いつもと違う」反応に調子を狂わされ、次第に追い詰められるのですが、それすらも…

ここまででも結構ネタバレしてしまいましたが、未見の方は、せめて真相はドラマでご覧ください。

ラストは、どう考えても続編があるだろうという作り方だったので、脚本は続編のつもりはなかったとしても、あまりの人気に続編が決定したのではと思います。
既にNetflixでもシーズン2がスタートしています。
Netflix以外で、放送自体は全て終わっているようですね。

ところで、私も最近になって韓流ドラマをいろいろ見るようになりましたが、日本のドラマよりはるかに面白い!と好評の韓流にも、一つだけ大きな欠点がある、と思っています。

それは、ほとんどが財閥を敵役としているということです。

『秘密の森』と一緒に、BSでなんとなく見ているドラマも「財閥令嬢の娘婿が検事」という全く同じ設定で、役者さんの顔も似ていたりして、もう全然見分けがつかないです(^_^;)
とにかく、主人公を痛めつけるのは90%財閥とか大企業とかですよね?!
御曹司、令嬢、婿、嫁、愛人…
これらを適当に並べただけで、ドラマがいくつも作れる気がする。。。

日本は一応財閥解体で、その辺はわかりにくくなっているため、敵の造形も知恵を出さないといけないのかなあ。
まあ、例え財閥同然の大企業グループとは言っても昨今の日本企業は本当に大したことないらしいので(世界的に見ると)、食い足りないかもですが。


思い返すと、昔私が書いた『ICE』という漫画も、あまり知られていない日本の社交界を描いてみたいなあという思いがあったんです。

そこまでたどり着かなかったですが(^_^;)
あの頃はまだ(幻影だとしても)それを面白がる雰囲気がありました。
まさか、日本がこれほど零落するとは…

話はそれましたが、韓流ドラマの財閥縛りが終わる日が来るのか、このまま強ジャンルとしてメインストリームを支配するのか、そこも今後の見所です。
もちろん、いつかは飽きますからね(^_^;)

『秘密の森』シーズン2と共に、チョ・スンウ出演作も追いかけてみようと思います。
今、ミュージカルに出て日本公演をやったら大ヒットしそうなのに…残念ですが、近い将来機会がありますように。

同じNetflixドラマ『The King〜永遠の君主』についても1話ずつご紹介しています↓









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