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怪我からのスポーツ復帰:ホップテストと左右差の数値、文献の紹介

"スポーツに怪我はつきもの"

スポーツ(庭作業など身体を動かすことも含め)を行っている方であれば、大小はあれど何かしらの怪我が起きた経験があると思います

通常であればそのような怪我をした場合、リハビリを行い回復してきたら徐々にスポーツに復帰します

この”怪我をしたらリハビリをしてからスポーツに復帰する”という流れはプロスポーツ選手も一般の方でも変わりません

文章にすると単純明快なのですが、スポーツに復帰したとしてもしっかりとリハビリが出来ていなければ怪我の再発や違う部位の怪我につながるリスクもあります

ですので、

”どの程度リハビリを行えばスポーツに復帰できるのか?”

”スポーツに復帰しても怪我が再発しないようにするには、どの程度のリハビリが必要なのか?”

これらの問いが重要になってきます

そして下半身の怪我の場合、これらの答えの一つの指標となるのがホップテストと呼ばれるテストです

このホップテストは色々と種類があり、片足で飛んで同じ足で着地するテストや、3回連続で飛ぶテスト、横に飛ぶテストなどもあります

ただ、どの種類でも片足ずつ測定してその数値を左右で比較します

多少の違いはありますが、スポーツ復帰の基準としては怪我をした方の足は健康な足と比較して90%や95%程度飛ぶ必要があります(例:健康な右足で1.5m飛べたら、怪我をした左足ではその90%以上の1.35m以上飛ぶ必要があります)

この数値90-95%というのは多少の違いはありますが、概ねこの辺りだと考えて頂ければと思います

この数値自体も色々な研究や経験から出されて数字ですけれども、今回は健常者を対象としてホップテストの左右差を比較した文献をご紹介します

健康な状態での利き足とそうでない足との差を数値で知っておくと、実際に怪我をしてスポーツに復帰をする際にも参考になる部分はあるのではないかと思います

文献↓

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この研究では色々なホップテストを健常な大学生を中心とした被験者に行ってもらい、利き足と比較した場合の左右差をまとめたものです(ここでは利き足とはサッカーボールや物などを蹴る際に、蹴る方の足です。ですので軸足は非利き足となります)

被験者は大学の部活動生、軍隊の士官候補生、そして日常的に運動をしている一般の大学生を含めた男女計274名から成ります

行ったホップテストの種類は6つです

1 6メートル クロスオーバーホップ
2 サイドホップ
3 8の字ホップ
4 トリプルクロスオーバーホップ
5 ラテラルホップ
6 メディアルホップ

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1番のテストでは6mのラインをひき、そのラインを片足でジグザクに飛んでもらい、6m飛びきるまでのタイムを測ります(同じ足で飛んで同じ足で着地する事を繰り返します)

2番のテストでは30cm間隔で2本のラインを引き、その間を片足で反復横跳びをします。合計で10往復(1往復で60cm x 10往復で6m分の移動)行い、それに要したタイムを測ります

3番のテストでは5mの間隔でコーンを置き、片足で図中のような8の字を描くように飛んで、1往復するのに要するタイムを測ります

4番のテストでは直線のラインの上を片足で3連続でジグザクに飛び、どれだけ遠くまで飛べたかを計測します

5番のテストでは片足で3連続で外側に飛び、どれだけ遠くまで飛べたかを計測します(左足の場合では左側に連続で飛びます)

6番のテストでは片足で3連続で内側に飛び、どれだけ遠くまで飛べたかを計測します(左の場合では右側に連続で飛びます)

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選手が練習に復帰する、もしくは試合に復帰する際はその判断で簡単なものはありません。しっかりとリハビリが出来ていても試合で怪我を再発してしまう場合もあります

ただ、このホップテストのような評価で選手が今どのような状態なのかを把握するのは、より良い復帰時期の決断を行う手助けとなります

参照文献

Calant Sports Rehab & Performance
代表:爪川 慶彦
www.calant.org

痛みや怪我のリハビリからトレーニングまでを首尾一貫した考えのもとで行い、アスリートからシニアまでのクライアントのお悩み解決のサポートを致します

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