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お母さんと日本語教育

 日本語教育に携わっていると、いろいろな社会の問題に直面することがよくあります…。

  先日トライアルで授業を受けてくださったのは、フィリピン人の女性。旦那さんが日系フィリピン人で、その旦那さんの仕事の都合で7年前に日本に来たそうです。

 旦那さんは日本語環境で仕事しているので日常会話、ビジネスでは日本語に困らないけど、その生徒さんは来日当初1年ほど日本語を勉強して以来、家ではタガログ語で会話するのでまったく日本語が上手にならない。息子さんの保育園の先生とのコミュニケーションがとれない、そうです。

  日本の保育園に英語が話せる先生がおらず、また保育園からの連絡事項もすべて日本語(たぶんやさしい日本語ではない)なので理解できない。さらに、保育園の給食が日本食で息子がそれに慣れ、フィリピンの料理をあまり食べない、ともおっしゃっていました。

  さらっと給食の話をしましたが、これもフィリピンの方ならクリスチャンが多くあまり問題にはならないかもしれませんが、例えばムスリムの方であれば豚肉が食べられない、あるいはベジタリアンの方などもでてくるかと思います。

 近年、外国人労働者の受け入れがすすみ、それにともなって「海外ルーツの子ども」、家族が増えています。ですが、それに対して日本がきちんと対応できているか、というとまだまだだと思います。

  ただでさえ、保育士さんの給料、待遇が悪い、待機児童が問題になっているのに。学校の先生の過労、精神疾患の問題などでなり手が減っているのに。

 これにプラスして、さらに海外ルーツの子供たちに給食や言語のサポートも、となるとかなりの負担になりますよね。

 数年前に教えたスリランカ人のお母さんは、子どもが日本の保育園での日本語の会話に慣れ、お母さんの母語がわからず親子での会話がだんだんできなくなっていると話していました。子どもが成長するにつれて、我が子の話す言葉がわからない…なんて想像できますか…?

恐ろしい…。海外ルーツの子どもをサポートするNPOや先生は少しずつですが増えているようにも思います。ですが、子どもの両親や生活者のサポートはどのぐらいすすんでいるのでしょうか…。

そういう方たちのために、何かできないかな、と考えていますがなかなか難しいです。せめてわたしが結婚して子どもがいればもう少しこういうことが問題になるだろうな~とか予測したり、共感したりできるのかな、と思ったり。。。



 

サポートがほしいなんておこがましいことは書けませんが、もしサポートをいただいたあかつきには、自己投資し、それ以上のものを誰かに返せるように努力します。