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ふわりと肩にのせる【ショートストーリー:季節のあしおと】

夏の夜にちょっとしたおでかけ。空に咲くアザミを見にいこう。
ふと、夜陰にふわっとゆらめいた白。

なにげない日常に“着こなし”を添えた小さなお話のあつまり。
季節のあしおと』のショートストーリー。

夜陰に街灯のライトがあたってふわっと浮かび上がる感じとか。
あと、アザミ。

……アザミを花火に例えるのって、比喩としては古風(?)なのかなともふと思ったのですが、いかがでしょうか。
そもそもアザミと聞いて、「ああこんな花かな」「だから花火なのか」と、そういう伝わり方になっていたでしょうか?

アザミを花火に例えること自体はそう珍しくはないと思っていまして、私は永井龍男先生の『風ふたたび』に出てくる文章が読んでいて気持ちがよく印象に残っています。

金のあざみ、銀のあざみ、柳の雪が燃え、散る菊にダリヤを重ねる。

永井龍男『風ふたたび』

リズミカルでさらりと読めてお手本にしたい書きぶりです。

夏の夜にひとつ羽織ってお出かけしたくなる。
そんな気持ちが伝わるような、そんな情景に仕立てられていたらと思って書いた、「ふわりと肩にのせる」でした。

さァ、よい一日を。

お楽しみください。

※※このページでは、『ナチュらぎ』で連載中の『季節のあしおと』のショートストーリーを紹介しています。※※


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