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情景225.「水の都」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「水の都」です。

春に和やかなデートの情景。
長崎県の奥の方、島原城下に渡る街。遠くを見やれば普賢岳。
私が、“湧水群”という言葉をはじめて知った場所。

人に歴史あり、街に歴史あり。
眺めて私が思うのは、“お堀に歴史あり”。

水源を見つけ、人を呼び、測り、掘って、石を詰め。
水を流し、街に通す。

人も地べたも、水がなければあっという間に干上がります。
水場に人が集まることもあれば、人が集まる場所まで水を引くことも。因果はどうあれ、水がなければ立ち行きません。そして水を引いた後も、継続的なメンテナンスが必要。
それを取り仕切る「灌漑」は、今も昔も一大事業です。

島原湧水群という、水源に恵まれる長崎県島原市は、その環境を生活に結びつけるよう整備・維持し、昔からの水辺環境を今に残していることから「日本名水百選」に選出されています。
名実ともに水の郷、水の都の地です。

武家屋敷通というスポットがあってですね、通りにカフェ(和喫茶かな?)があったりもするんですが、静かで穏やかで、そこを通ると時が止まった場所にいるような不思議な感じに浸れるんで好きなんですよ。

その通りに渡る一本の水路を眺めていて、ついこんな物思いにふけっていました。
水の都の情景。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



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