…どこへ行っても、中古自転車すら高くて買えない…。

新品を買った方が、中古品を整備して乗るより安いと言われてしまう。

あんなにたくさん、駅前に放置されているのに…

きっと誰か悪い人が「お、よさげ！」と泥棒さんして乗り捨てたんだ。

だから、よさげな放置自転車が駅前にあふれかえっている。

私は駅の近くまで出向いて、自転車修理店に訊いてみた。

「あのたくさんあるまだまだ乗れる自転車はどこへ行くのでしょうか？」

「ああ、あれね。
市役所が処分してる」

ズルっ。

市役所で自転車買いなさいって、私、言われたんだけど😅

なんでも、防犯登録の抹消がなかなか手間とコストがかかるらしくて処分するのが一番手っ取り早いそうな。

しゅーん…

新品で、義務の保険加入して、荷台つけて…算出してもらったところ…40000円。

時代は変わったな。

そう諦めていたのだが、昨夜ご近所さんが
「よその市町でも探してみたら？
車出すから探そうよ」
と言ってくれた。

実はもう５日もお風呂に入れていなくて、心身ともにベコベコだったため「放っておいてモード」になっていた。

だけど、40000円は安くはない。

よし、今から頭を洗おう！

「じゃあ、明日お願いしようかな。
よろしくね🙇」

そして今日、なんと整備済み＋保険つき＋変速つき＋荷台つきの中古自転車を20000円を切るかたちで買うことができた😭

売ってくれた整備の方も、丁寧に組み直した中古自転車を嬉しそうに試し乗りしている私をニコニコ見ていて、オマケしてくれたのだ。
材料が入ってこない上、組み上げても「１万以上するわけ〜？」と言われてしまう世の中になってしまって、整備する側も苦労の時代みたい。

「喜んで買ってもらえるなら、嬉しい！」

そっかぁ、私も嬉しい！！

自転車をコレと決めた帰り道。

ご近所さんが言った。

「〇〇、ちょっと待ってて
盗まれないように鍵をもっとつけた方がいい
うちに一つチェーンが余っているから」

渡されたチェーンはまるで毒蛇のハブのように太くて、ぐるっと１２０センチあり、めちゃ重かった。

「えっ！えーっ？！
コレさ、見ただけで泥棒さん逃げるよ？！
もう見た目が❝威嚇❞してる！
コレ見たら盗る気が失せる」

「だから！」

「アーッハッハッハッハ！
ヒーヒーッ！！
ハッハッハーハッハッ！！
思ってたのと違いすぎるー！
あーっはっはっ！ひーっひっひ！！
コレついとってチャレンジするのはおバカさんだけやわー！ひーっ！！」

私は自分の家に着くまでずっと笑っていた。

もう、ツボ過ぎて大爆笑だった。

私が想像していたチェーンタイプの鍵は、彼にとったら「あんなの工具で簡単にカットできる」そうだ。

彼は機械整備の技術も持っている。

(爆走編へ続く)