タマタマはお腹のなか。猫の陰睾丸、摘出手術.... #去勢

3月から我が家の一員となった「こち」、生後半年。

去勢手術の時期になりました。

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(手前は先住猫の、そよ 7.5kg)

万全を期すべく、キャリーも新調。
家にあるキャリーは先代猫から10年は使ってるもので扉の調子が悪く、病院で万一の開閉事故があったら大変です。

元野良の彼は食への執着が凄まじいながら、当日は朝ご飯抜き。

当然大騒ぎ。手術前12時間は食事を与えてならないと言われている為ですが、猫にはそんな事情を知る由もありません。

ただ、頑として要求に応じない飼い主に何かを察したか、やがて人には求めなくなり、床に這いつくばって自動給餌器の出口に手を突っ込んでいました...

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そんな早朝を乗り越えて午前10時、移動の時間。新しくて品の良いキャリーだろうが、猫には嬉しいはずもありません。ご飯は貰えないわ、キャリーに詰め込まれるわ。きっとろくでもないことが始まるに違いないとの動物の予感は的中。今度はタクシーに押し込められます。近所に動物病院があればよかったのですが...

車内で混乱する猫の鳴き声は悲しい。ごめんね。どうか無事で帰ってきてね...

心配はしつつも、雄猫の手術は雌猫の様にお腹を開くわけでなし、そんなに難しい手術ではないだろう。

動物病院で受付を済ませ、猫の引き渡し。

早くてもお迎えは14時とのことで、一旦家に戻ることに。ところがー猫を渡して間もなく、帰りのタクシーの中で、私の携帯の電話が鳴りました。

ドキッ。なぜこんなに早く?

何かあったに違いないー 恐る恐る電話に出ると。

「ねこ○○動物病院です。実は、猫ちゃんの睾丸が...見つからなくて。」「えっ!睾丸が見つからない?!」「お腹の中にあると思われるので、取る場合は開腹手術が必要になります。」そんな事が.... あるのか.... この展開は予想していなかった。

「えっと、睾丸を取らないという判断もあるのですか?」「はい、睾丸が自然と下に降りてくる可能性を待つという飼い主さんもいます」いや勿論、自然に出てくるならそっちの方がいいけど.... しかし生後半年で出て無いのだから、これから出てくる保証があるのだろーか。医師は続ける。「摘出しない場合、発情期になるとスプレー行為をする場合があります。」「睾丸を取る開腹手術は難しい手術ではいのでしょうか?」「そうですね。ただ、開腹しても睾丸が見つからない事があります。内臓の方まで行ってるとなると、うちでは見つけられない事もあって.... 別の病院で、となる可能性もあります。」「せっかくお腹を開いても睾丸が出せない事が?」えええ。そんな〜。「100%はないでしょうが、無事に睾丸を摘出できる確率の方が高いんですよね?」「9割以上かと。触診した感じ、それらしきモノもあるので。」「色んな価値観はあるでしょうが、ねこ○○病院さんとしては、お腹の睾丸を摘出した方が良いと?」「そう思います。」「では、手術してください。」

と、電話を切ったところでタクシーの中だと気づく。タクシーの運転手には「この客、睾丸を取るの取らねぇの、うるせぇな」と思われたかもしれない。仕方ない。この件で今、一番辛いのは、こちなのだー

「ごく一般的な去勢手術」だったはずが、急きょ「睾丸を探して摘出する開腹手術」になってしまった。「手術費もあがります」そりゃそうだろうな。そういえば最近、奴のお腹を撫でてる時に、何か丸いものが当たった事があった様ながするー そうか、あれは睾丸だったのか。

無事に睾丸は見つかるのだろうかー?すっかり検索魔と化した私の検索履歴は「猫の去勢」「睾丸」「外側にない」と必死で情報を漁る。陰睾丸、停留睾丸などと言うそうだ。

ーお腹から降りてこない睾丸の腫瘍発生率は、正常な睾丸の10倍以上。陰睾の猫の睾丸はお腹の中で適した温度でない場所にあり、精巣は徐々に変化し腫瘍になる確率が上がるー 

怖い情報が次々と出てくる。手術の判断は間違っていなかった。しかし、無事に帰ってきて欲しい。

引き渡しから3時間後に電話が鳴る。「猫ちゃん目を覚ましました。」「睾丸見つかりましたか?」「はい、2つとも無事に完了です。」よかったー!!

迎えに行くと、キャリーに入れられた小さな愛猫が身体を縮こまらせて怯えていた。

術後の注意点、薬の説明など受けつつレシートを見ると「手術代」が2項目。あれ?金額が上がるのは知ってたけどなぜ2つあるんだろ?質問すると

「猫ちゃん、睾丸の片方が外側で、片方がお腹の中だったので、一個ずつの手術が必要で、通常手術と開腹手術とで2回分発生するんです。」

こち....  おまえのタマタマは、外と内にいっこずつあったのだね.....  納得して会計。

それにしても、今回受診した病院は設定が決して高くなかったので金額が上がっても支払えたけれどー 病院によっては、今回のケース...陰睾丸の場合、5万円以上かかる場合もあるようだ。会計時に驚愕する人もいるかもしれない。可能性がある猫は、事前に確認した方が良さそうだ。

もちろん去勢手術に限らず、猫を飼っていれば突発的な医療の出費などザラにあるので覚悟して生きなければならないのですが。

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そんなこんなで無事に帰宅。傷口を舐めないよう即座にカラー装着。怯えてベッドの下から出てこなかったのはほんの20分ほどで、その後はすぐに「おなかすいたあー!!!!」ご馳走をあげたいけれど、術後はすぐにたくさん食べさせちゃいけないと言う事なので2時間待って柔らかいウェットフードを少量あげました。

朝夕の抗生剤(錠剤)を服用してくれるか心配でしたが、珍しい餌に混ぜれば大丈夫.... と思いきや。なんと、餌に混ぜなくても皿に出せれば薬のみパクっと食べる子でした.... こういう時、食い意地張ってる子は楽です。しかし、動物としては、ちゃんと口に入れる物はまず疑ってくれー!何でもかんでもとりあえず食べないで!

腹部の睾丸摘出手術から、9日。指示された薬は飲み終え、カラー卒業までもう少し。 


柔らかいカラーは枕にもなるので、プラスチック製よりは居心地良さそうです。ただ猫の排泄物がカラーについてしまった時は洗濯が大変なので、その点はプラスチックの方が楽。


「早く外せるといいね。」

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余談。

去勢手術の日にLINEでやり取りをしていた友人の一言

「陰睾丸かぁ。 in睾丸でも伝わるね。」

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