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津波から全力で逃げた日

うとうとと授乳中、午前4時に鳴り響く警報で飛び起きる。「緊急速報:津波情報が発表されました」
海が目前の我が家は「海に近づかなければ大丈夫」とも言ってられないぞこりゃ
赤子を抱き猫をハードキャリーに詰め込み
当面のミルクやオムツやらをリュックに入れて
3人と2匹が空の真っ暗な中で脱出。

闇雲に「近くの高い場所」を目指し近隣の山を軽自動車で登るが....
3ヶ月の乳児とでかい猫を2匹抱えて
よくわからない山道にいつまでも居られない。

「じわじわ津波」だとかの長期戦を予測する情報もある。
落ち着いて話し合い、山奥の実家に避難することに。
家族は退避しているとはいえ、自分の家が飲み込まれたらと移動中も気が気ではなかった。
Macとハードディスクが....過去、数百点の作品原画たちが....家財は諦めよう....

ご存知の通り、津波は大事にならなかった。
全身全霊で命を抱えて逃げた身として気は抜けたが、本当に本当によかった。

しかし、これまで経験したことのない緊張感にやられ身体の変な震えと疲労感には暫く悩まされたのであった....
全てが無事でも、やたらくたびれる。
極度の寝不足でか、度々頭に霞がかかる。
避難民(姉家族)の分まで弟がご馳走を作ってくれたのだが、何でか大量に醤油をかけて注意された。
実際に被害に遭われた方の心労苦労は想像を絶する。

避難して数時間後には津波警報及び注意報が全国で解除。
元々の日曜の予定はこの騒動でオジャンになったので、開き直って滝と温泉へ♨️
水から逃げて来て、水を浴びに行く変な日。

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実家に避難中の赤子と猫の“こち”
何がすごいって、突然の避難でキャリーに詰められ車で山越え連れ回され
全く知らない環境下に置かれているのに、しっかりご飯を食べて水飲んで赤子の世話までする猫のたくましさよ
(もう1匹の“そよ”は何も口にせず隠れて出て来なかった... でもそれが普通の反応だと思う)

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