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丫人 6

階段に飛び込んだ瞬間、ネコの爪が壁をえぐり、その板が入り口を塞いでしまった。真っ暗な状態になってしまった。

階段は下に続いていた。壁に手を当て、手探りで下に向かっていく。時折、上の方から振動がくる。まだネコは俺のことを探しているようだ。

とんでもないことになってしまった。命拾いをしたかと思いきや、小さいサイズになってしまい、助けてくれたおっさんはネコに殺されてしまう。事情が分かったとはいえ、俺はこれからどうすればいいんだろうか?

そんなことを考えながら、ゆっくりと下に降りていくと、少しばかりの明かりが見えてきた。明かりがあると言うことは誰かいるのかもしれない・・・そう思ってはやる気持ちで明かりに近づいた。

その明かりは電球だった。小さくなった俺よりも小さな電球だ。こんなもの誰が作ったのだろうか?そんな疑問を抱きながらも前を見ると、青い扉があった。

この中に誰かがいるかもしれない・・・そう思って開けようと思ったが、入り口に鍵がかけられている。これでは開けることが出来ない。ここまで来たのにもう逃げ道はないんだろうか・・・

そう思うと全身から力が抜けた。俺は扉を背にしてその場に座り込んでしまった。

「やっぱり、命助かったけど、結局死ぬ運命なんだな。どうせ、上には戻れないし、水不足になったら死ぬみたいだし。もうここまでだなぁ。」

その時、手に違和感があった。左手の地面が少しくぼんでいる。そういえば、ここの地面は固くない。ぬれた砂みたいになっていた。

「これって、掘れるんじゃないだろうか?」

試しに扉の下の土を手で舁いてみた。ボロボロと地面がえぐれていく。

「これだ!」

地面をえぐっていけば向こう側にいけるかもしれない。この一筋の希望を糧に、俺はもう一度立ち上がった。

少しずつだったが、掘り進めることができた。人間が通れるくらいの穴を掘るのは気が遠くなる気がした。しかし、今はこれしかないので、やるしかない。

ある程度掘り進めたところで、ふと気がついた。

俺って小さくなってるんだった。力はあまり落ちてないようだし、これくらい掘れれば通れるんじゃないだろうか?

試しに頭を突っ込んでみた。

余裕で通れる・・・

そこで俺は扉の下に潜り込み、更に掘り進めた。次は扉の向こうへの通路を開くためだ。少しずつ上に掘り進めていくと、ついに天井の土がぼろりと崩れ落ちた。

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