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ゴールド上がらない理由(2023年7月11日)

ドル円急落で、これを記載しているときに141円を割りました
これであれば、$1950くらいは軽く行ってもいいのではと思えますが、なぜここまで上値が重いのでしょうか
(明日のCPIで大きく上昇するかもしれませんが・・・)

買い手不在

その理由はこの見出し通り、買い手がいないからです
買ってるのは、下値で待っている中央銀行のみと思っています
むしろ先物ショートポジションがあまり解消されていませんし、金ETFは売られ続けています
アジア圏の実需買いも薄く感じます

つまり、まだまだ下を見ている投資家が多いということになります
実際、生産者のヘッジショートが積み上がったままですし、先日の$1900割れで少しは解消したのかと思いましたが、そんなことは殆どありませんでした

COTレポート

COTレポート 2023年7月3日

こちらを見ていただければ分かる通り、減らすどころか増えていますね
これが解消されると大きな上昇を見込めるのですが、それはなさそうですね
機関投資家はかなり拾ったようですが、それだけではなかなか・・・なんですよね

金ETF

金ETF残高

長期保有のための金ETFは売りに売られ900TONを割り込むか?といったところまで来ています
最初に$2000を超えて$2080付近まで行ったときには、1000TONを軽く超えていたはずです

結局はアメリカの情勢次第

明日(2023年7月11日)全世界が注目しているCPIが発表されます

一番注目はコア消費者物価指数(前年比)と、コアCPI(前月比)ですね(上から1番目と2番め)
総合の消費者物価指数(前年比)は前回の4.0%から3.1%に大きく下落の予想となっています
備蓄原油の放出をいまだに行っているバイデン政権ですので、エネルギーに関しては上昇しないと見て良いと思いますので、ここまで下げるかわかりませんが、下落はするのではないでしょうか


2022年7月6日 ISM非製造業

先日発表されたISM非製造業に関しては、比較的堅調でありサービス業の堅調さが示されています
エネルギーを除いたコアCPIは下がりにくいのではないでしょうか
下がったことにより、サービス業が改善しているという見方ももちろんできますが

インフレが収まったらゴールドは下落?

推測の域を出ませんが、インフレがあったから去年$1610で止まったと考えています
その根拠は、インフレ+経済悪化によるスタグフレーションがあったため、コロナ前の水準まで戻すことなく、再度$2000を試す展開となりました

今のアメリカの経済情勢を考えて、経済悪化はありえるでしょうか
大きな逆イールドが発生していることから、来年以降あり得ると思います
ただ、短期で言えば高金利の中で経済活動が活発であることは、ゴールドにとってマイナス要因とも言えます

長期ホルダーにとって、将来の経済不安定を見越せば、今売る必要はありません
中銀のサポートもありますから、いまのところ下値が固くなっていると思っていいのではとも考えています

そして、インフレが収まって、経済活動が活発であったらどうでしょう
経済活動活発であれば利下げをする理由はありません
利上げする必要もありませんが、高止まりし続けるでしょう
高金利に弱いゴールドにとってこれもマイナス要因です

短期的に上値が重いのは、こういった要因も少しはあるのではないでしょうか
経済情勢が良ければ、シルバーやプラチナは買われやすくなるでしょうね(ゴールドに左右される場面はあると思いますが)

円はまだ上昇するか?

日2年債金利(赤) 日10年債金利(オレンジ)

日本債権金利を見ると、YCCによる金融緩和で10年債金利は0.5%が上限です
まもなくこの水準に達します
2年債金利が大きく急上昇していることが、円の急騰と言えると思えます(とはいえ、いまだマイナス金利という・・・)
2年債金利は0.05%付近が直近の高値となっており、まだ上昇余地があります
大きく動くものに反応しやすいため、短期金利上昇が円の上昇となるかもしれません

現状リスクオンが続く

今の円高はリスクオフで買われているわけではないと思えます
その一つの理由が株です

Fear&GreedIndexは、いまだExtreameGreedであり、超楽観となっていて、一時的に下げることはあっても、大きく下げることはありません
金利が上がっているのに、株の上昇がとまらないことは不思議ではありません

債権を売って株を買っているからです
だから金利が上がって、株が上がるといった構図です
典型的なリスクオン相場というわけです

リスクオンにもゴールドは逆風ですよね
これも$1950を超えて$2000にいけない理由でしょう

最後に

今後$2000を試す展開になったとしても、現在のアメリカの経済情勢では、タッチして終わりということになる気がしています
チャート的にも上昇はするものの、非常に弱く感じており、大きなロットでロング!といった気になれません

下値は固いが上値も硬い、こんな状況が続くのでしょうかね?

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