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誇りにおもうよ



「ステレオスペルマム」



キミの名前って

そんな難しい名前だったの

今まで知らなかった


ちょうど一年前

お店でお行儀よく並んでる

キミをみつけた



葉っぱが可愛くて

一目で好きになった




それからは台所の窓辺にいてくれた

ぬくぬくとした部屋で

料理をする私を

いつも見ていてくれたね



柔らかな光を浴びる

キミを見るのが好きだった





秋になるとはらりはらりと

可愛い葉っぱが落ちてゆき


冬になると枯れ枝のような

細い細い幹だけになった



春になってもそのままで

あの可愛い葉っぱは

出てこない



私は「ごめんね」と

キミの根っこと

少しだけの枯れ木のような幹を残して

大きな鉢に植え替えて

ベランダに出したんだ



キミとっては初めて触れる空気

春風だったけど 

まだ冷たかったよね




季節はめぐり

キミの枯れ木のような幹からは

少しずつ小さな若葉が出て




今は太くみどりの幹と

大きな葉っぱ



信じてくれたんだね

そう笑ってるみたい



弱く儚げな

あの頃のキミではもうないね



太陽の下のキミを見るたびに

私は誇らしく思うんだ



今のキミなら

 冬の寒さも乗り越えられる




きっとね








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