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新人教育で使える"教え方"のコツ3選

皆さんは、新しく仕事をすることになった新人に対して、このように思ったことはありませんか?

  • ちゃんと教えたハズなのに、全然わかってなかった…。

  • どう伝えていいかわからない。

  • 自分の教え方の何がいけないのかわからない。

人は大人になるまで「教える」機会が、多くはありません。自分なりに一生懸命教えたつもりでも、相手に全然伝わらないと、そこから人間関係のトラブルに発展してしまいます。

大人相手の伝え方にはコツがあります。そのコツを押さえるだけで「教え上手」に一歩近づけるのです。今回は大人相手の教え方コツ3選をお伝えします。

新人教育だけでなく、子どもへの教え方にも参考になります。ぜひ、最後までご覧ください!

園長コマツ
とある私立認可保育所の園長です。 子どもや保護者、職員みんなが活き活きと暮らせる保育園へ向けて悩みながら改革中。 自分の取り組みや学びをNoteを通して発信します。 プライベートでは二児の父。 好物はハンバーグ。



コツ①教える時はコップに水を注ぐイメージをする

相手に何かを教える際はコップに水を注ぐイメージを持つことが大切です。この場合のコップとは、相手の知識・技術のレベル・意欲など、相手の状態の事を指します。水は情報です。教えるということは、相手のコップに水を注いでいくイメージをしましょう。

教える前に、相手のコップにはどれくらいの水が入っているのか?いわゆる理解度をはかることが大切です。教える内容に対して「相手が現段階で、どれくらいの内容を理解しているのか?」お互い共有しましょう。

例えば、「散歩先の公園での動き方について」教えるという事であれば、以下のようなことを確認すると良いでしょう。

・散歩先で注意しなきゃいけないことって学校や実習で習った?
・準備の時間ってどれくらいかかると思う?
・どんな風に子どもを見守ればいいと思う?

この回答で「コップの中身」つまり「現状の理解度」が大体把握できます。初めから丁寧に教える事は大事ですが、時間は有限ですし、相手のレベルもバラバラです。どの程度の事を教える必要があるのか?教える相手はどういう相手なのか?をしっかりと把握することが大切です。

相手の状態(コップの水)を把握する3つの視点
・相手の知識
・技術のレベル
・意欲や精神状態

ここで特に大切なのは相手の意欲・状態もコップの水に含まれる、ということです。例えば、新年度が始まり、色々な事を覚えなければいけない状況の時はすでにコップに水がたまっています。逆に保育や子ども達に慣れてきた状態であれば、コップの水は空に近い状態であると言えるでしょう。

ここの差を理解せずに、こちらが伝えたい情報だけを伝え、コップから水がこぼれてしまっていては、相手は理解できていません。どれくらいの水(情報)なら注いで大丈夫そうか?というのは上司が把握するべき内容です。


コツ②情報は小分けにして伝えられるようにしておく

教え方が悪い人の特徴として「情報が小分けにできていない」という事があります。意外と、教える側は「教える情報を整理できていない」のです。

そうなると、説明しているうちに、「あれもこれも伝えなきゃ…」とどんどん注ぐ水が止まらなくなるのです。教える側と教わる側、情報を多くもっているのは、もちろん教える側です。教わる側のコップは10のうち3しか空いていないのにも関わらず、10入れてしまったらどうなるでしょう?もちろん、7の内容はこぼれてしまっています。

しかも、教わった側はコップから水が溢れているので、情報が整理されておらず、曖昧なままで記憶してしまいます。こうなると「ちゃんと教えたのに……全然伝わってない!」ということや「出来が悪い」「覚える気がない」など、負の感情が湧いてきてしまいます。

本当に教えるのが上手な人は3だけ教えて、7は他の日に回します。これをするためには、自分が教えるべき情報を小分けにしておかなければなりません。

また、自分の中で情報を区切っておくと、教える行為の進捗が分かりやすくなります。「〇〇については、6まで伝えたから、あと4伝えればいいんだな」といった風な形です。これは教える側のちゃんと伝えたかどうかわからない漠然とした不安を取り除く効果もあります。

教える側の仕事として、教える情報は整理し、細かくしておくことを準備しておきましょう。


コツ③理解度の確認をおこなう

教える側の最大の目的は内容を伝えることではなく、「相手が獲得すること」にあります。

よくある失敗として、60分教える時間があった際に58分教える時間にし、残り2分で「何かわからないことある?」と聞く、という事があります。

もし、こんな教え方をしている人がいたら要注意です。残り2分で「何かわからないことある?」と聞かれても、自分の頭を整理するので精一杯ですし、時間がないので、わからない事を聞くのも怖がってしまいます。

また、「ふんふん頷いてるし、わからないこともない、という回答だったが、後になると全然わかってなかった。」こんな話もよく聞く話なのではないでしょうか?最低、10分は相手の理解度を確認する時間を設けましょう。

理解度の確認は以下の3つから選択してもらうと良いでしょう。

①言葉にしてもらう。
②文字にしてもらう。
③行動してもらう。

・今教えた内容を上手くできなくていいから説明してくれる?
・大変かもしれないけれど、今の内容をレポートにしてくれる?
・今教えた事をやってみてもらえる?

など、上手にできなくてもいいという事を前提に伝えながら、相手の身に染みこませる作業はとても大切です。

理解度の確認で一番やってはいけないことは、「わかった?」と聞くことです。なぜなら、この質問に対して教わった側は「はい」か「はぁ…」しか言えないからです。教えてもらった側に「No」というのは勇気がいります。「わかった?」とは聞かずに、別の形で理解度をはかるようにしましょう。


まとめ

上手な教え方のコツ3つを解説しました。

  1. 教える時はコップに水を注ぐイメージをする。

  2. 情報は小分けにしておく。

  3. 理解度の確認をおこなう。

この3つはどれも”自分本位ではなく相手本位”に基づいています。上手に教える人ほど、相手の立場をイメージし、教える工夫を凝らしています。

意識しておこなっていきたいですね。

他の記事で相手にイライラしない教え方のポイントも執筆しています。興味がある方は、ぜひご覧ください。


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