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万年筆☆マイベスト

2023年春、新しい万年筆が仲間入り。
ずっと欲しかったハイエンドのペリカンスーベレーンM800が一番ねらいで、通販サイトでで良くチェックしてから銀座ITOYAの万年筆売り場へ。
さすがに通販で高額な万年筆を買うのは不安でした。
どうせお店に行くなら、モンブランマイスターシュテュック149も試し書きさせてもらおうかな、とワクワクしながら向かいました。

季節柄、万年筆の贈り物がピークシーズンということなのか、お目当てのスーベレーンは欲しい色と字幅が全部売り切れで、がっくりとしてしまいました。
選び初めて10分で、欲しいものが全て無いことが判明し、そこから迷うこと約1時間あまり。
試し書きは約8本くらいしたでしょうか。。。
混雑している売り場で、店員さんを独り占めして、真剣勝負でした。

最後に、決めかねながら選んだのは、金ペンではないものの、大きさ、ペン軸、ニブに心惹かれた、
エスターブルックのエスティー。カラーはヌーヴォブルー
アメリカ製の万年筆で、J.F.ケネディーが、月に人類を送るアポロ計画の予算に署名する際に使用されたのがエスターブルック社のペンだったそうです。

スカーレットとどちらが良いか、いつも買わない色にしてみるか、いやいやお気に入りの色が良いか、とここで迷いは留まることを知らず。
と言うのもスカーレットは極細字のEFがあったものの、ヌーヴォブルーは細字のFまでしか在庫がなかったので、手帳にも使うならEFがいいかなと、またしても在庫状況に翻弄されながら「これ!」という決断が出来ずに今した。結局青く煌めく姿を選ばなかったら後悔する気がして、ブルーにしました。
綺麗に包まれた袋を片手に、帰り道でも「やっぱりスカーレットのEFにすればよかったかも」と優柔不断が尾を引きます。

そんなエスティの仲間入りから1か月半が経ち、全てがこれで良かった運命の一本と実感しています。
まず、書き味が「ぬらぬら」よりちょっと吸い付き感のあるような、紙に密着するような、なんとも言えないフィット感です。
おそらくEFの字幅を選ばなかったのも、功を奏したかもしれません。万年筆は大抵EFのペン先を買ってしまうので、さりさりした感じが手に慣れた書き心地だったのですが、日本製より若干太めになる海外製のFの字幅のペンを買ったことで、いつもと違う書き味に出逢った気がしています。
手帳にもしっかり使えているので、Fで問題ありませんでした。

ペン先(ニブ)は、ずっとツートンカラーを狙っていました。モンブランもペリカンもツートンニブがあり、憧れだったのですが今回はちょっと縁が無く、ゴールドの塗装がしてあるスチールペンとなりました。

もう一つ、今回のペン選びのポイントだったのは、ペンの大きさでした。
私は細くて小さめのペンが今ひとつ手にフィットせず、太軸で少し長めのペンが欲しいと思っていました。
エスティーは、欲しかったM800 のペンとも長さ、太さともほぼ同じです。強いていうなら、軸の形がバランス型(両端が丸くなっている)より、ベスト型(両端が平らになっている)方が好みだったので、ペリカンのようなスタイルを探していました。

しかし、エスティは全体が大理石のように模様が広がり、真ん中に金色のラインが入っていてとても美しいです。そしてキャップのねじ込みも、バネのような機構が付いていて、押し回すような閉め方となります。開けるときは回していくと、スポンとポップアップするような感触のキャップオフが他の万年筆にはない特徴です。

アクリルボディのキラキラした模様が、傷によってくすんでいかないように、他のペンとの接触傷を避けられる一本差しのケースも買いました。
フックが付いていて、首からぶら下げておくことも出来ます。
お気に入りのトラベラーズノートと一緒に持ち歩きも出来そうです。
なくすのが怖くて、実はまだどこにも持ち出せていないのですが。

この春、新しい万年筆が仲間入りしたのに合わせて、インクも新顔が揃いました。大正浪漫ハイカラインキです。これは、寺西化学という「?」のマークでおなじみのあの有名なインクの会社が発売したものです。

色は、左からトラベリングセピア、ブリリアントミント、オペラローズです。鮮やかすぎない、綺麗な色合いです。容量も40mLとたっぷり入って2000円しないのでとても買いやすいインクです。全色揃えたくなってしまいますが、使い切らないのでまずは3色を使って行きたいと思います。

万年筆との出会いは奥が深い。
同じメーカー、同じラインナップでも一本ずつ違っていて、インクとの相性もそれぞれで、使い手の傾け方でもまた書き味が異なっていて。
だからこそ、手に持ったフィット感、インクの出具合の好み、外観に魅了される姿形、色々なことが混ざり合った「最高の一本」「マイベストな一本」に出逢えるのかもしれません。

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