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保苅実。稀にない悪筆。

とにかく字が汚かった。あれほど知性に溢れた男だったのに、筆跡からはその微塵も感じられない。むしろそのチグハグさこそが、彼のスゴさを物語っているかのよう。笑。

昭和60年(1985)5月24日に出した科学万博ポストカプセル。
”Hell"は”Hello"のつもりか。

私の四つ下。昭和46年(1971)生まれだから、14歳の彼の字。かなり意識的に丁寧に書いてるのがわかる。15年後の29歳の時に受け取ったはず。

姉の私がとりわけ美文字だったせいもあるのだろう、彼は悪筆にコンプレックスがあって、あちこちで似たようなことを書いている。

故人に追い討ちをかけるのは、と思わなくもないが、実姉だからいいことにする。みみずが這いつくばったような、というのはまさに彼の筆跡のことを言う。

Ph.D thesis Notebook - 1998.4.10
Ph.D thesis Notebook - 1999.2.19

Fieldworkのメモになると、さらにミミズ化が進行する。

1997.9.14  "7"とは読めなかったが、他のページから解読。
1997.9.29
2000.7.21

科学万博ポストカプセルから15年経ったが、全然進歩していない。

2000.7.21の続き。これは明らかに書き直した箇所。
後で読み直してわからなかったら博論が書けないしね。

最近は、手書きすることが本当に少なくなった。漢字もどんどん書けなくなっていく。

確かに美文字を見ると、その人の知性を連想するが、悪筆だからといって知的でない、とは言えない。

悪筆の皆さん。キーボードの影に隠れず、保苅実を例に挙げて是非反論してください。



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