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Dota2を6年間遊んだのでレビューしてみる:Dota2は「サンドボックス感のあるMOBA」である。

※この記事は「MOBA Advent Calendar 2021」の25日目の記事です。


「Dota2」はSteamを運営しているValve社が開発・運営しているオンラインマルチプレイゲームだ。私はこのゲームを2014年からプレイしており、総プレイ時間は3000時間を超えている。

そんなDota2だが、「なぜ面白いのか」について改めて考えると、すぐには答えが出てこなかった。これを読んでいるあなたも、今一度「Dota2が何故面白いのか」考えてみてほしい。パッと具体的な答えが出てくる人は、Dota2のゲームデザインをよく理解していると言える。そうでない人は私と同じなので、この記事を最後まで読んで頂けるとありがたく思う。


Dota2は何をするゲームなのか

Dota2は、10人のプレイヤーが5人ずつのチームに分かれて戦う"チーム対戦型ゲーム"だ。ゲームの目標は、仲間と協力して相手の本拠地にある”エンシェント”を破壊する事である。また、ゲームには120を超えるヒーローが存在しており、各プレイヤーは毎回そのうちの1体を操作する事になる。つまり必勝法は存在せず、プレイヤーは試行錯誤をしながら勝利を目指すことになる。

この形式のゲームは※MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)系と呼ばれ、日本で有名な他のタイトルを挙げると、リーグオブレジェンド、ワンダーランドウォーズ、ロードオブヴァーミリオン、そして最近だと、ポケモンUNITE等がある。
(※元々は“DotA系”と呼ばれていたので、Dota2はMOBAの元祖であると言える。)

では、他のMOBA系ゲームと比べた時、Dota2は「どんなMOBA」と言えるのだろうか。
私はDota2のことを「サンドボックス感のあるMOBA」だと思っている。


"サンドボックス感のあるMOBA"とは

ビデオゲームにおける「サンドボックス」とは、ゲームの進行に関わるタスククエスト類が存在せず、プレイヤーが自分なりに的や標を決めて遊んでいくゲームデザインである。有名なタイトルでは「Minecraft」がそれにあたる。
これはサンドボックスという文字通り砂場遊びと同じもの。砂場は例えるならワールドであり、そこにスコップバケツ磁石などの初期アイテムが用意されている。プレイヤーはこの砂場でトンネルを作ったり、バケツで砂ケーキ作ってみたり、磁石で砂を集めたり、タカシくんとミユキちゃんが作った砂山をタミヤの1/16RC レオパルド2A6で潰したりする。決められたタスクをこなすのではなく、自分でタスクと遊び方を決めるわけだ。

https://dic.nicovideo.jp/a/サンドボックス

MinecraftやGMODなど、一般的に"サンドボックス系"と呼ばれるゲームには、「プレイヤーが行うべき目標が設定されていない」という共通点がある。そのため、Dota2はサンドボックス系MOBAとは呼べない。なぜなら、プレイヤーには「相手のエンシェントを破壊する」という目標が設定されているからだ。

しかし「サンドボックスゲームのようなプレイ感」が、Dota2には含まれていると思う。そう思う理由は「アイテムによるヒーローの拡張性が高い」からだ。


少し話は逸れるが、LoLプレイヤーに「Dota2にはオラフのUltと同じ効果を得ることが出来るアイテムがある」と伝えると、大抵「ヤバ過ぎ」と返答される。LoLはアイテムのアクティブ効果があまり強くないからだ。(種類もとても少ない)

一方Dota2は、あなたもご存知の通り、アイテムのアクティブ効果が非常に強力なMOBAだ。
(※実質ヒーローのスキルが一つ増えるのと同じなので、使うヒーローによっては試合中に押さなければならないキーの数が大きく増える者も居る。)

この強力なアイテムのアクティブ効果のお陰で、どのヒーローもビルド次第でプレイ感が大きく変化する事になる。瞬間移動、透明化、スペル反射、クールダウン解消等々…、PCゲームにMODを追加するように、ヒーローを改造していくことが出来るのだ。これが「Dota2のサンドボックス感」を生み出している要素の一つであると、私は考えている。


そして、「アイテムのアクティブ効果」以外にも、Dota2のサンドボックス感を生み出す要素は存在している。以下がその一例だ。

  • ディナイ

  • アグロ管理

  • プル

  • スタック

  • 高低差

  • 木の伐採

  • ユニットコントロール

  • クーリエ

これらの要素は、知らなくてもゲームはプレイ出来るが、知っているとゲーム中の選択肢が増えるものだ。そして、プレイヤーの「こんなことが出来たら面白いのに」という要望(MTGで言う所のティミー的要望)を満たしてくれる。

上記リストによる「サンドボックス感」がわかる動画(02:24~)

あなたがDota2以外のMOBAをプレイした経験がないのであれば、何かしらを1試合だけでも良いから遊んでみると良いだろう。上記のリストの要素はほぼ含まれていないからだ。
ディナイもプルもスタックも、それ一つずつではDota2の特徴とは言えない。が、MOBAの枠組みの中に全てが入り込み、絡み合うことで、「サンドボックス感」という、唯一無二の特徴を生み出しているのだ。

【余談】ニュートラルアイテムとタレントツリー、セプター&シャード効果、バッシュ等のランダム効果は、Dota2に"ローグライク感"をもたらしていると考えている。ここでいうローグライク感とは、ランダム性によって試合運びが上手くいった時の高揚感と、ヒーローの強さがインフレして誰にも止められなくなった時の征服感の事を指している。

まとめ

この記事は今まで自分の中になんとなく存在した「Dota2って自由度高いMOBAだよなぁ」という思いを、サンドボックス系ゲームに例えて言語化したものだ。その為、書きながら自分の考えを整理している節があり、文章としては非常に読みにくい物になっている気がする。

というわけで、最後にこの記事で自分が言いたかったことを簡潔にまとめて、本文を締めたいと思う。

Dota2の面白さは「サンドボックス感」にある。
それを生み出しているのは、「アイテムによるヒーローの拡張性」「プレイヤーの選択肢を広げる様々なシステム」である。

以上です。ここまで読んで頂き感謝します。では。


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