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不動産探しに日々命をかけていて、不動産屋さんについて今日思うこと。

だいぶ長文になりそうだけど、今日五反田オフィスを整理しながら思うことをつらづらと。

現在、新規事業を作っていて、近々リリースする。

その名は『SPOT』

1日貸のオフィス事業(サードプレイスオフィス)。コロナを経ての働き方にマッチするであろうワークスペースを1日単位で貸し出す。プレ営業中ですが、好調です。

伴ってレンタルオフィス事業を縮小し、貸し会議室事業は人知れずほぼ閉鎖。

こっちの事業は、いつもながら自分なりにリスクを取って、案外世間になかったものを作るというアプローチ。

あと、あまりこういう言い方はダサくて好きくないけど、SaaS的なサービスを作ろうとしている。AIなんかでプライシングなんかもできるような機能も作ってとか、ITっぽいやつ。

こっちの事業は情報の非対称性を逆手に取って、のうのうと商売をしているお金をかすめ取っていくようにしか見えない人たちへの挑戦であり、抵抗。

まずはオフィス事業の物理的な物件も探さないといけないので、物件探しを久々に開始した。

しかし、僕をまともに相手にしてくれる不動産屋さんはまずいない。おそらく彼らに取って異常者でしかない。自覚もある。僕が相手の立場でもこんな客を絶対に相手にしてはいけないと思う。

<<要件>>
駅からは基本1分以内
理想は25万円以下
港区渋谷区中心、目黒・中目黒は可。銀座は中央通りまで。(など)
事業はレンタルスペース的なことだけど、そこは説明難しいからおいおい。
ある程度詳しいので、とりあえず500件くらい物件情報ください。

多分お伝えするとこんな感じになると思う。こっちは本気なのだけど、相手にされるわけがない。サイコパス感しかない。

なので自分でやるしかないのだけど、まずは不動産のリストをなんとか手に入れる。

500件の物件を1つずつ精査する。これがまず相当時間がかかる。見逃すと終わりなので、気も抜けない。この作業は室内でできる。深夜でもできるから厄介だ。言い訳がきかない。というか歯止めがきかない。

ちなみに、少なくとも不動産屋さんはこんなことしないだろうし、借りようという人でこの作業をできる人がこの世にいないはずな気がするので、誰にも真似できないということはストロングポイントだと思うことにする。(たまに誰かが同じことしたらどうするみたいなステレオタイプの質問を貰うことがあるけど、マジで親友になれると思う。そんな人いたら。オフィスビル全国行脚の話をつまみにお酒でも酌み交わしたい。)

500から可能性のありそうな物件を大体50件くらいに絞って全部見にいく。基本はオフィスビルが中心なので、特に可能性のありそうなものは、できればEVからでも全フロア見ておきたい。共有部の感じとか、エントランスの感じとかはやはり現地でしかわからない。帰って候補物件の全ての入居テナントのHPをチェックする。

まあいろんなところに点在しているので、自転車で回るのだけどしんどい。(なぜ品川区に住んでいるのか後悔しかない。狭くても西麻布あたりにいればよかった。)

勝手に査定をし続けて、勝手にAランクとかBランクと評価をつけ、該当するものが5つくらいは出てくる。(ここで500→5)

そこからが本番。この5つ。いわゆる不動産屋さんに依頼して管理会社に連絡してもらって内見させてもらわないといけない。

嘘はついてはいけないけど、真正面から今回のようなレンタルスペースやりたいとか言うと、そういうのNGと言われがち。

ちなみに、もうすぐリリースする最初のオフィスは思いっきりレンタルスペースNGと、わざわざ募集広告にまで記載されていた物件。そんなことでは怯まない。ここまで辿り着く労力など考えてもそんな簡単に諦められるわけがない。もはや恋。

なので、ここをまずどう突破するかは相当考える必要がある。

僕たちがやろうとしていることは、少なくとも金儲けとか、不動産投資とか、そういう発想では全くない。結果で証明してあげるとそれこそ審査に落ちてしまうのだけど、この数年で相当の赤字を出してきた。全く儲かってはない。けど、今回はロマンがある。(ずっと言い続けているが、ちなみにやっと来月は単月黒字化しそうです。)

コロナ以降ビルの空室率は上昇を続けた。オーナーさんは困っていたり不安な方も多いと思う。特に古いビルの小規模オーナーさんなんかは本当に大変だと思う。

だから、せめて僕は空いているならこのビルで事業をやりたいんです。と伝えたい。できれば事業内容をきちんとご説明したい。わかってもらった上で判断していただきたい。内見する前に断られるのはツラい。

最初のオフィスはもうできたから、今後は説明がもう少し楽になると思うけど、まだそれすらない状態のこの事業に許可をしていただけた最初のオーナーさんには心から感謝したい。しっかり事業を成立させて、賃料をきちんとお支払いし、周辺にご迷惑をおかけしないことしかできないけれど。(あと、手伝ってもらった不動産屋の伊藤さんにも多大なる力を貸していただいた。ここは今回改めて感謝している。)

500件の物件を抽出して、ピックアップして、全部見に行って、内覧させてもらって申し込みさせてもらう。途中で断られると結構大きめの失恋くらいつらい。

僕はちょっと思いが異常なんだろうけど、人が生活する場所、事業をする場所、これはとてつもなく大切なことだと思う。

だから、不動産屋さんがもっと良くなったらこの国はもっと暮らしやすく良い国になると信じてきたし、今もそう思っている。

土日の皆さんがお休みされている時とか仕事前の早朝からずっとビルみてるようなのは僕だけじゃないと思う。小さな会社の社長さんたちなどは、まさに命懸けの決断だし選択なはず。本当にお部屋埋まんなくて困っているオーナーさんはこれからもたくさんでてくると思う。

不動産屋さんたちは案件も多いのだろうけど、せめてそういう人たちの人生の一部。一大事をお手伝いをしているんだという自覚を持って対応してもらえたらいいのにと思うけど、なかなかそうもいかない。

貸主でもない。管理会社ですらなく何なら問い合わせしただけでお会いしたこともなく、情熱もかけらも届けてくれない人たちに何度も何度も断られる。

最近、1周回って地元の不動産屋さんがいいなと思い始めてきた。

昔は情報が公開されていなかったので、提供される物件量だったり、お支払いする手数料だったりで不動産屋さんの価値とかが決まった気がするけど、今はもうそうじゃない。賃料から画像からGoogleマップから図面から全部もう出ちゃっていて、その中で付加価値を提供するのは簡単ではないと思う。

ただ物件確認だけの作業でいいのであれば、別にどこでも誰でもいい。というかもはやそんな立ち会うだけの存在は必要すらない。でも、地元の不動産屋さんというか管理会社さんは知識と経験が違う。なんなら賃料交渉できるかなんて管理会社さんでしか知り得ない。間違ってもギリギリで出している物件に、交渉などしてはいけないし、逆に可能ならご相談しないと長期的リスクが高まる。まだ見ぬ僕たちの顧客のためにできるだけ安くは借りたい。初期費用も下がる余地があるならありがたい。そうゆうことを知らずに顧客に言われたことだけを転送する不動産やさんはもはや事業の邪魔をしてるとしか思えない。

昨日の渋谷の内見。長年管理されている管理会社さんが秀逸だった。ここの大家さんはこんなかただから。とか、前は病院の先生が今時タバコを吸う人で退去後天井裏まで大改修したんですよ。とか、元々ここはお蕎麦屋さんをオーナーさんがやってて。1階には今度アパレル店が入るのよ。みたいな話を色々教えてもらえた。高級お寿司やさんの大将が旬の北寄貝の説明をするがのごとく。プロだなぁと感じた。

不動産探しは昔より簡単になったかも知れないど、逆に本物の不動産屋さんを見つけるのは相当難しい。

理想はオーナーさんとお話すべき。(そこまで辿り着く戦略を考える)

せめて管理会社さんとお話はしたい。(この人たちはまだ信憑性がある)

しょーもない知識も情熱もないインターネットでごちょごちょやってるだけの不動産屋なんて全部淘汰されるんだろうなーと思う。いくらなんでも社会は変わり続けるし。仲介料要りません言われても、どっかの収益があるわけで、それすら価値に等しいかは未来担保されるわけもない。

あ、ちなみに、500抽出を始めると、その日の抽出が終わっても、毎日探せば過去の重複も含め100は新規物件が出続ける。時々お!というのもあるから毎日朝起きたらその精査。諦めるまで終わらないし、誰にも任せることができない。そして早朝の調査に向かう。

異常者と言われて異論はないです。


画像は最初のオフィスのまだ家具入れる前(窓の外は虎ノ門ヒルズビジネスタワーです。)


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