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私にとっての文豪ストレイドッグス(布教)

初めまして
前回の記事でご挨拶と簡単な自己紹介を済まさせて頂いたので、早速本題の記事作成に移ろうと思います。記念すべき初作は本題名にもなっている通り

私にとっての文豪ストレイドッグスとは

ここで少しお察しになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、本記事は文豪ストレイドッグス、略して文ストの愛を語るだけの記事になっております。何か有益な情報を求めてさまよっている方々には申し訳ないのですが、ここではオタクが愛を発信するだけで、なんの生産性も生まれる事は無いだろうという事だけをご忠告させて頂きます。ですが、おさらいも含めて、簡単に文豪ストレイドッグスという作品についてご説明させて頂きます。

文豪ストレイドッグスとは?

原作朝霧カフカ、作画春河35の2人タッグで織り成す、異能アクションバトル推理漫画です。現代の横浜を舞台に、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった史実の文豪達にちなんだ設定やエピソードを起用しています。2013年1月号のヤングエースにて連載が開始され、現在シリーズ累計発行部数1300万部を突破、ノベライズやアニメ化など、多種多様にわたるメディアミックスを展開されています。

さて、私からの簡単なご説明は以上ですが、さらに詳細が知りたい!気になる!という方は上記にてご閲覧下さい。

文豪ストレイドッグス、漫画やアニメが好きだという方ならば一度はその名を聞いた事が有るのではないでしょうか。その時、どのような印象を受け、興味を唆られたかは各々だと思います。ですが私は、現代の悩める若者に、言論と本を愛する人々に強くこの作品をお勧めしたいのです。とは言いましてもこの作品、連載開始が2013年と既に10周年を迎えているほど、長く続いている作品になっています。連載当初は、もう賛否両論の嵐。アンチに次ぐアンチで、まともな読者を見付ける方が難しいのではという印象を、当時の記事を見ながら思ったほどです。ですが、キャラクター達が、史実の文豪達を起用されている事を考えれば、賛否別れるのは必然であり仕方の無い事だと確かに思います。文学というのは繊細な世界であり、史実の文豪達はその言葉と本に、絶対的な思想とそれに伴う力を持っているものです。そして、読者も、私にとって文ストそのものが聖書で、道標であるかのように、文豪の作品にも、それらを愛する人々がいることを忘れてはいけません。

いつかのコメントで、文ストは文豪の名と知名度を借りただけで人気になった作品じゃ無いのかと、そういった意見を目にした事があります。ですが、私は決してそれだけでなく、原作者さんはきちんと史実の文豪の作品をリスペクトして作品を創っているからだと思っています。それらのピースは細かく散りばめられており、目を凝らさねば自力で見つける事は難しいでしょう。ですが、読者が問えば必ず作品は答えてくれます。共通点を探す作業は、まるで自分が宝物を探す童に戻ったかの様でとても楽しいです。

それじゃあ共通点は何があるの?

例えば、主要人物の中にはかの有名な太宰治と芥川龍之介という名のキャラクターが出てきます。既にご存じだと思いますが、太宰治は第二次世界大戦から戦後にかけて、芥川龍之介は大正から昭和初期にかけて活躍した文豪です。それぞれ代表作は「人間失格」「斜陽」、「羅生門」「地獄変」などがあります。彼らの関係性ですが、太宰治は芥川龍之介へに憧れを強く抱いていました。後に残す作品にも影響を受けていると言われていますが、生前二人が対面する事はありませんでした。太宰治が文学に傾倒していた頃、既に芥川龍之介はこの世を去っているからです。どちらの死因も自殺ですが、もしも二人が対面していたなら、太宰治が自殺未遂を繰り返す事も無かったかもしれないと考える事があります。そして、文ストの中でのこの二人の関係性は芥川龍之介が太宰治に憧れを抱くといったまったく真逆のものになっています。文ストの中では度々史実とは逆の設定になったものを見付けることがあるでしょう。泉鏡花、尾崎紅葉といった文豪達の性別が男性から女性になっていたり、江戸川乱歩とエドガーアランポーの関係、太宰治と中原中也の関係も逆のものになっています。そして、それらの設定はわざと逆になっていると原作者さんによって公言されています。もう少し例を出しますと、史実の泉鏡花は湯豆腐が好物ですが、文ストの泉鏡花も湯豆腐を好物としています。史実の泉鏡花は潔癖症で生ものは食べない主義だったらしいのですが、そのせいで豆腐の用字を嫌い、必ず豆府と書いたそうです。そして、その拘りは文ストの作中内でも用意られており、豆腐では無く豆府と漫画には書かれています。

文ストの魅力

え?今更?とここまで読んで下さった方は思う事でしょう。はい、今までのは全て前座です。前説明文です。ここからは本格的に文ストの魅力に迫っていきます。

秀逸な言葉選び

文豪をモチーフとし、文豪ストレイドッグスと名乗っておいて、言葉選びが下手くそなわけないじゃないですか。文ストでは聞き慣れない単語や古風な言い回しをするキャラ達が多く存在します。そして読者はネットで分からない箇所を検索し、自動的に漢字や語彙に強くなっていきます。なんてお手軽なことで。漫画やアニメからも、語彙の豊富さは覗けるのですが、矢張り存分に言葉を浴びたい!という方には小説版文豪ストレイドッグスをお勧め致します。8巻くらいあったと思いますが、その中でも群を抜いてハードボイルドで、痺れる表現が盛り沢山なのが黒の時代です。キャラ太宰治のバックストーリーを書いたものになります。

こちらアマゾンでも高い評価を得ています。さながら純文学のような文体と展開は、アニメや漫画を見た後に見るとそのギャップで情緒を崩されました。個人的にはアニメ1期視聴した後、2期に入る前にこちらを見て欲しいです。実は2期の最初の方はこの黒の時代をアニメ化したものになっていて、そちらも大変素晴らしい出来なのですが、この際順番はどうでもいいのでどうしても小説版を読んで欲しいです。そしてもし、こちらの小説が気に入ったなら付属で、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」という作品もお勧め致します。こちらはハードボイルドの祖と呼ばれる小説です。黒の時代を5倍渋く濃くしたイメージですね。黒の時代と長いお別れも少し共通点があるのですが、それはまたの機会に致します。 

個性的な仲間たち

文ストの多様なキャラクター達は誰一人として似通っておらず、それぞれが個として成り立っています。文豪の名を持つキャラ一人一人にちゃんと彼からが生きた軌跡と信念が感じられて尊いです。先程も説明した通り、文豪をモチーフにしているためキャラ達にも史実のストーリーが設定として反映されています。自殺未遂を繰り返した太宰治は自殺マニアという特殊な設定だったり、その尺度は様々ですがどこかしらで垣間見れると思います。

再度貼らさせて頂きますが、公式サイトではキャラクター達の詳細も見ることが出来るので是非見てみて下さい。ちなみに私の推しは太宰治です。


終わりに

文ストの魅力はまだまだ語り尽くせていません。序の序の口です。ですが、書き出すとキリが無いので一旦ここまでにさせて頂きます。そもそも私が何故、ここまで文ストにハマったのか、それは私自身が文ストの言葉に救われたからです。そして作中内で描かれる救済の連鎖に強い羨望を抱いたからでもあります。文ストで無くても、本に救われた経験を持つ人は少なく無いのではないでしょうか。本には力があります。古くから愛され続ける文学なら尚のこと。私は文豪ストレイドッグスという作品が、文豪達の本への橋掛かりなればいいなと思っています。それぞれが持つ葛藤や苦悩を、言葉で諭してくれる何かが現れたなら、それがきっかけで救われる事もあるのでしょう。現代人の本離れ、古くからある本屋がどんどん閉まっていくのを見ると心が痛くなります。人はどんな時も言葉とあり、それらから離れる事はありません。だからこそ、沢山の言葉と触れ合える本は貴重で、大切です。まずは一歩触れてみて、後悔するかもしれません。時間を無駄に過ごしたと思うかも、私の愛するものが皆に愛されるとは思っていないけど、私は繋げたい、なるべく多くの人に繋がることを願っています。

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