9月28日(土)放送:海外に行くなら、その前に「日本文学」を学ぼう

9月28日(土)放送のテーマは「日本文学」です。

2020年から小学校の英語教育が必修化されるなど、子どもの頃からの英語学習が重要視される機運にあります。また大人の英語学習に関しても、東京オリンピック・パラリンピックの開催まで1年を切った今、学習意欲の高まっている人も多いのではないかと思います。

もちろん、海外の方とコミュニケーションを取る上で英語を話せるに越したことはありません。海外の文化を

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芥川龍之介『蜃気楼 --或は「続海のほとり」--』を読んで

芥川龍之介の掌編小説『蜃気楼 --或は「続海のほとり」--』を読んだ。もう何回目になるのかな。話が短いからすぐに読める。
 この小説が好きで、かつて原稿用紙に一篇まるごと視写したことがある。小説を書き写す行為は読むだけと違って、芥川が執筆しているような気分になれる魅力的な体験だと思う。好きな小説があるのなら、ぜひ一度試しにやってみることをお薦めしたい。

 この話は二章に分かれている。第一章は秋の

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読書感想文📚芥川龍之介『奉教人の死』編

『奉教人の死』

芥川龍之介のキリスト教関連作品の中の一冊が、この『奉教人の死』である。
「奉教人」とは、キリスト教徒のことだそうだ。
読むのは二回目だったが、感想の一言目は変わらない。

文語体+方言であるので非常に読みづらい。

長崎が舞台であるとのことなので、長崎弁なのだろう。
しかも、キリスト教の用語が昔の言葉で書かれているため、解読が難しかった。

この作品、芥川龍之介がどれほどキリスト

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いつになったら『地獄変』が理解できるのか

芥川龍之介が発表した短編小説に『地獄変』という有名な話がある。

私がこの短編小説を初めて読んだのは高校生の時である。当時の国語教師は授業そっちのけで自分の好きな作家の話ばかりをする人で、特に芥川の話をよくしていた。ある日、その教師は芥川の『地獄変』について話をし始めた。彼は自分の話をしている時に完全に自分の世界に入ってしまっていたのでまともに彼の話を聞く生徒はあまりいなかったし、自分もその一人だ

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天から斜に降り注ぐ

先週、iPhoneに保存していた大切なメモが2つ消えた。

 ひとつは、これから聴く予定の音楽のリスト。高校時代から買い溜めているアルバムを書き連ねたもので、これだけは消さないように心がけてもう何年も更新を続けていた。消えたと気付いたときに感じた指針を失ったようなぐらつきが、このリストの自分にとっての重要性を物語っている。

 もうひとつは読書の記録。好きな映画はもう一度観ることがあっても、小説は

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文体で影響を受けた『偸盗』のこと

こちら(https://note.mu/takekawa_yu/n/n3685c7e13d70)で、文体の話をちょっぴりしました。

誰しも、文体で影響を受けた作家・作品というのはあると思います。作品の世界観などとは違ってスキル的な側面があり、小説の「かたち」を決める、そういうものではないでしょうか。自分にとってそれは、芥川龍之介『偸盗』です。青空文庫で全文読めますので、ぜひ。

解説にも書かれて

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秋の花火大会

疲れているから行きたくない!とごねていたのに

ドンと一発目が鳴ったらもうくぎ付けになって

「わぁ!」と駆け出していく子供。

慌てて追いかける大人たちも

漆黒の空に上がった遠い花火につい目を奪われてしまう。

9月も後半だし夜は寒いだろうと

羽織るものを持ってきた。

だけど、海独特の包まれるようなほわっとした湿度のせいか

金曜の夜に集まった老若男女の熱気なのか

走ると汗ばむくらいだっ

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エッセイ⑥ 酷い不安感がおさまらない。これを小説のネタにすることくらいしか思いつかない。

☆写真:カルガリーは寒いからメイプルのように赤く紅葉する木がない。みんな黄色い。まあ、それも悪くない。

「生き地獄」と言ったら大袈裟かも知れないが、そのくらい酷い不安感だ。なにもかもが不安で、なにもかもが心配だ。もう三カ月もこの調子だ。

ある友人が、「もし君になにかあったら、周りにいる我々がみんなで助けてあげるから、心配するな」と言ってくれた。それはありがたい。救われる言葉だ。私にはいい友達が

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戦闘的、あまりに戦闘的

140字にはまとまらなかったが、かといってnoteに書くには短めのメモ。

※芥川龍之介地獄変、旧約聖書、MCU、ベルセルク等のさらっとネタバレがあることをご承知おきください。

古典翻案を得意とした芥川龍之介の元ネタをいちいち把握しているわけではないのだが、旧約聖書の中のエフタが実の娘を神への捧げものに出すエピソード、地獄変っぽい。

エフタという男が「アンモン人との戦いに勝利したら、神に身内を

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