安倍首相_まいてぃ999さん作_

毎日勤労統計の調査不正やらかした件で最も事情通な方のお話を(記事後半で)まとめました

こんにちは。猫じゃない方です。トップの画像は、漫画家のまいてぃ999さんに依頼して描いていただいた安倍首相風の人です。より正確に言うと、安倍首相風または小池都知事風でお願いします、という依頼で描いていただきました。感謝。

さて、例の毎月勤労統計の調査方法を東京都で決められたとおりにしていなかった問題ですが、こちらの記事によればそうした状況は2004年から続いていたようです。

こうなるともう、現在現役でやっている人たちの責任にしちゃえばいい、なんていうものじゃないですよね。

ちなみに、2004年以降に関連する組織のトップだった人たちは、以下の通りです。

<総理大臣>
小泉、安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田、安倍

<厚労大臣>
坂口、尾辻、川崎、柳澤、舛添、長妻、細川、小宮山、三井、田村、塩崎、加藤、根本

<都知事>
石原、猪瀬、舛添、小池

当然ながらいわゆる保守系も民主系もみんないます。

毎月勤労統計調査の実務を行うのは各都道府県であり、都道府県知事がこれを指揮監督することとなっています。報告義務者をリストアップする調査も都道府県知事の責任です。
(「毎月勤労統計調査規則(省令第十五号)」より、本田調べ)

実際のところ東京都がやらかしたのか厚労省がやらかしたのか、どちらなんでしょうか?? 現場の感覚としては、前例にならってやっていただけなんでしょうけど。このあたりの話はニュースではほとんど触れられていないように思います。

などと書いていたら、1月16日の神戸新聞に政府統計委員会西村委員長の寄稿が載っているとのツイートを見かけました。西村委員長は、日経新聞記事によれば、昨年の12月13日に厚労省からこの問題について初めて報告を受けて絶句された方です。この問題に一番詳しい方ですね。

なるほど。ここまで書いていただいてようやくテクニカルな部分について理解できました。理解が遅くてスミマセン💦

以下、西村委員長のありがたいお話のまとめ

〇 本来の調査方法は、大規模事業者を全件抽出し中小規模はクラスタごとに一定の比率(抽出率)で抽出。後者には抽出率の逆数をかけて全件抽出規模に復元することで全体の平仄を合わせる。この方法は厚労省が起案し、総務大臣が承認している。

〇 東京都の大規模事業者分に関し、2004年に、統計を所管する統計委員会・総務省に確認することも公知することもなく厚労省が勝手に抽出率3分の1の標本抽出方式に変更した。また、仮にその方法が正式に採用された場合であっても上述の中小規模の場合のように抽出率の逆数をかけて全件抽出規模に復元することが必要だったが、その補正を行っていなかった。

〇 2018年1月からは東京都の大規模事業者抽出分にも復元が適用されたが、この修正についても統計委員会・総務省に黙って行われた。さらに、過去分に関して遡って修正することはなかった。

〇 2012~2018年分を東京都の大規模事業者分まで復元したところ、平均賃金が平均して0.6%程度過小に計算されていたことが確認された。

ということのようです。

東京都と厚労省のどっちが主導だったのかと言えば、印象としては厚労省かなぁ。

想像です。

  東京都「全件調査大変やし、どうにかならんの?」
  厚労省「あれな、わしは変えてもええ思う」(2004年)
      |
  厚労省「あれこれ、もしかしてあかんやつ?」(~2017年)
  厚労省「しゃあない、しれっと直しとこ」(2018年1月)
  (直したことで連続性が失われ、齟齬が生じる)
  総務省「厚労省さん、あんたこれ、変ちゃう?」(12月10日)
  厚労省「すんません、やらかしてましたわ」(12月13日)
  総務省「・・・」

西村委員長が指摘されている通り、背景には体制不備・リソース不足があるのでしょう。

そのような状況では、他の政府統計でもいろいろと問題が続出する可能性もあるかもしれませんね。

雪の中ではしゃぐオマール(想像)