町角のプロフェッショナル
遅めのランチで、大好きな「うな重」を食べました。
細い路地を曲がると出会える、町中華ならぬ”町うなぎ”店。メディアで見かけたことはないけれど、昼時になるとご近所さんで行列ができる日もあるそうです。
歴史を感じさせる店内は、馴染みのお客さんのお土産と思しき人形などが飾られながらも、こざっぱりと整っていて、なんとも静か。70歳代くらいのご夫婦が切り盛りしている。
予約の電話を入れると「お持ち帰りのお客様が近くにいらっしゃることもあるので」と、こちらの電話番号を復唱しないでくださった。
メニューもお酒も(横目で見ただけですが)必要な品が過不足なく、選びやすい数だけ揃っていて、こちらが話しかければ、女将さんは微笑みながら穏やかに対応してくださる。
女将さんのふんわりとセットされたショートカットの、襟足がきちんと整えられているのを見て、けしてお客に強調しなけれど、お店のすみずみまであたたかい気配りが満ちていると実感しました。
香ばしいうな重は表面がパリッとしていて、塩加減も絶妙。最初の一口から最後の一口まで、ずっとふわふわで美味しい。
思わず感動を伝えると、厨房に立っていたご主人はふくふくしてツヤのある頬を照れ臭そうに上げて、ニコニコしながら静かに頭を下げてくださった。
こういうお店が、しみじみ大好き。
仕事で語ってくれる職人さんが、大好き。
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