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点が入りそうな試合について     5レーン的知見から捉えるチャンスの芽

サッカーの試合を見てて、「あー、なんか全然、点入る気しないわ」と感じたことがある人は多いのではないか。

得点シーンはサッカー観戦の醍醐味の一つだし、逆に点が入らない試合は、少し面白みがないように感じる。

この記事では、得点のための決定機をさらに拡大解釈し、得点が生まれる瞬間だけでなく、決定機が生まれる瞬間を知ることで、よりサッカー観戦を面白くしようと試みている。

得点の臭い=決定機の数だ!

点が入らないと感じるのは、すなわち決定的なチャンスの絶対数が少ないからだといえる。例えば、ゴールキーパーとの1対1や相手ゴール付近でのフリーキックの獲得などは、決定的なチャンスといえるだろう。

しかし、このような決定機はそう頻繁に訪れるものではない。当然ながら、どのチームもそのようなチャンスをつくらせないためにディフェンスをしているからだ。

そこで今回は、得点を生む決定的なチャンスがどこから生まれるか、つまり、チャンスを生むのはどのようなプレーかを5レーンという思想に合わせて、遡った考えをしていきたい。

5レーン理論とは

5レーン理論とは、サッカーにおけるフィールドを縦に5分割して、ポジショニングに対しての約束事を設定するプレーモデルのことです。同レーン上にポジションが近い選手が並ばないで隣り合うレーンの選手は斜めのポジションをとるという約束事を作ることで、サイドで流動的なポジションをそれぞれが取りながらもトライアングルができます。

選手のポジショニングを入れ替えながらも位置関係を崩さずパスコースを限定させないことが狙いです。ピッチを5分割する考え方のことを5レーン理論と呼ぶこともありますし、5分割して同じレーンに2人連続してポジショニングしないという決めごとを5レーン理論ということもあります。

5レーン的チャンスの作り方

結論から言えば、
相手陣のペナルティエリアの角付近=ミドルレーンかつ高い位置で選手が相手のゴールに体を向けてボールを持つこと。
これに尽きる。

これまで、数々の試合を見てきて、もっともオーソドックスかつ得点率の高いチャンスは、実はこのエリアから生まれている。
具体的には、相手のキーパーとDFラインの間に速いパスを通し、それをファーサイドで合わせるという状況だ。そのパスが最も通しやすいのがミドルレーンなのである。

なぜミドルレーンなのか?

キョリとアツが関係している。
一般にサッカーはゴールの周りほど守備が手厚い。すなわちゴールに最も近くシュートコースも十分にある真ん中(=センターレーン)ではプレッシャー、圧が多くかかり自由にプレーすることは難しい。

逆にゴールから外に離れていけば、それだけ自由にプレーしやすくなる。ゴールから離れて距離が出ると、今度はパスを通すのが難しくなる。
そこで、この中間をとったミドルレーンでボールを持つことでチャンスが多く生まれるという仕組みだ。

最後に

このように点を取るための、チャンスを作るためのプレーを考えて行っているチームが近年増えてきたように思う。
ペップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスターシティはその好例で常にミドルレーンにうまい選手を配置することを意識している。
しかし、ここまで言っておいてなんだが、こんなことしなくても点が入ることは多々ある。いわゆるスーパープレーだ。

サッカーには得点には2つの見方があると思う。一つは、得点までの文脈をたどり戦術ベースでみること。もう一つは、圧巻のスーパープレーを楽しむこと。
このどちらの見方も取り入れて、サッカー観戦がより面白いものになるこ戸を期待する。

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