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伊藤真和のロゴストーリー

▼プロフィール
氏名(愛称):伊藤真和 (まさかずくん)
名古屋大学4年の前期で休学し、1年半が経とうとしている。現在は東京でフリーランスとして働く。
趣味は雪山とサーフィン。

Twitter:https://twitter.com/Lay_Laimiz

「ゆらぐこの場、この瞬間。その結び目に委ねる、臨む。」

ー早速ですが、ロゴに込めた思いについてお伺いしてもいいですか?

「ゆらぐこの場、この瞬間。」については、『今』、自分がこの場で感じていることを大事にしたいという思いが込められています。というのも、友人といるときの自分、仕事の時の自分、スキーをしている自分、、、場によって表に現れる自分は変わります。そこで自分が感じていることはその瞬間だけの儚いもの。でも、その儚い何かは、間違いなく自分の中に生まれたものであり、それを信じて選んでいきたいんです。「その結び目に委ねる、臨む。」これも同様のことを表しています。結び目は「自分の一面」×「場」です。そこに生まれる感情、体の感覚、そして思考。それは既に存在していた常識やルールではない。そこに居合わせた自分に意思決定を委ねていくということです。

ー「結び目」は物と物ではなく、より抽象的な概念なんですね。その思いはどう芽生えたんでしょうか?

自分の中の多面性について考えた時に、場面ごとに別物の自分がいて、それぞれの自分を好きでいられるんです。とてもありがたいことだと思っていて、それはそこにいる人や空気といった場面と自分が結びついて出来あがっている感覚があるからなんですよね。
それをより強く実感したのはここ1、2年ですね。大学を休学して仕事を始めたころからです。新しい自分を発見する大事なきっかけだったと感じています。仕事という新しい場をもったことで明確に意識されてきたように思います。

ー休学して働く、というのは大きな決断ですよね。そのきっかけはなんだったんでしょうか?

実は、それまでの僕は、勉強して高校行って大学に行って...という「真面目」という表現がまさに似合いそうな感じの学生でした。自分が見えている世界がそれくらいしかなかったので。
そんな僕が休学という選択をとったのは、ひとり暮らしをやめた時からつながっているように思います。大学2年生の夏休みをセブの日本人シェアハウスで過ごし、その後も大学近くのシェアハウスや冬には雪山のスキー場にある家で居候して過ごす、ということをしていました。シェアハウスのメンバーの中には起業している人もいて。休学して働くという選択を含め、そこでの出会いがつながって世界が開けていきました。

住む場所を、手放した。

ー休学も生活のことも普通に話していますが、かなりすごいことしてますよね...(笑)その中で、大変だったことはありましたか?

ないですね(笑)。お金のやりくりがしんどいこともありましたが、ずっとハッピーでやってきてます。頑張ろう、みたいなモチベーションは強くなくて、それこそ「委ねる」という感覚が強いんです。目の前にあらわれたことが面白そう!となったら、今いる場所や持っているものを手放して、ある種自分が流されたい方向に、惹かれる方向に歩いていったら次の場所にいる、みたいな感じです。

ーとはいえ「手放す」ハードルは高くないですか?

住む場所を手放したらなんでも手放せますよ(笑)。これは物理的に家を引き払ったということ以上に精神的な制約も取り払えたと思っていて。だからこそシェアハウスや、山に居候して暮らす、という思いもよらぬ選択ができ、そういった環境が「手放す」ハードルを下げてくれましたね。

ハードル、というと「不安」のようなネガティブなイメージがありますよね。でも、その根本にあるのは「ワクワク」といったポジティブなエネルギーと実は同じものなんじゃないかと思ってるんです。不安もワクワクも、どちらも未知への想像力から生まれています。その想像力をどちらに働かせられるかだと思って、誰しも両方の力を持ち合わせているのではないでしょうか。もちろん、僕の中にも両方存在しています。ただ、「誰か泊めてくれでしょ」「友達に奢ってもらって過ごせばいいや」みたいな
”死にはしない”という最低限の不安だけ解消してあげることで、ワクワクに目を向けられているんだと思います。

ーまさかずくんから感じる身軽さはそれゆえかもしれないですね。手放した分、何か、はいってくるものがあるんでしょうか?

そうですね。今は東京で仕事をしていますが、友人の家に居候しています。それも何か持っていたら来れていないんだろうな、と(笑)。というのもこの生活の前は、「仕事してません。」「家もありません。」(乗鞍に長期滞在しスキー三昧の日々を過ごしていました笑)そんな状況で。だからこそ、東京で居候して仕事をする、という今に繋がっているんです。

思い返してみると、何かを得る前に手放している。そんなサイクルで回っていますね。それは前の自分がとても欲しいと思っていた何かに、時間がたっていたら満足していた、みたいなときで、惰性で握りしめているものを手放すことで、次に待ち構えている何かがやってきているように思います。それは「チャンスに居合わせる能力」ともいえるのかもしれません。

「取材から数ヶ月後の4月は、1ヶ月間タイにいたそうです。行き先はルーレットで決めたんだとか。」

自分で目的地を決め、旗を振り、向かっていく

ーまさかずくんはとても変化が大きい人生を歩んでいるように感じるのですが、「じぶんじるし」で言語化した思いや表現もこれから変化していきそうですか?

そうですね、ロゴを作るにあたって、「深めて、発散して、混乱して、、」を繰り返し、2.3周して結局同じところに戻ってきたような感覚があります。そういう意味ではOSとアプリみたいに、表出するものは変わるけれど、それを動かす自分の思いは変わらないものがあるのかもしれないな、と思いました。

仮に変わったとしても別に良いんです。それは、よりその瞬間にフィットする自分で居られているということなので。

ーOSとアプリ!まさかずくんらしい例えですね。変わらないコアな部分がありそうな印象を受けます。そんな自分の人生を物語だとしたときに、今はどんなフェーズでしょうか?

これからは自分で旗を振ってみる時期がきそうだな、と思っています。物語でいうと、どうだろう、序章みたいな感じかな。正確に言うと今年はその旗を振るための準備の年になりそうですね。今は、人の船に乗せてもらっている段階だと感じています。それは、船自体がどこに行こうが、壊れようが、自分以外の責任として捉えることができてしまう環境で。人生の中で時間を使っていくことに対して、自分で目的地を決めて、自分で旗を振って、仲間と共に向かっていく、ということをやっていきたいと思っています。

今まで「委ねて」きた僕にとって「目的地を決めて自分で旗を振る」というのは新しい進み方。それに惹かれる自分がいます。このふたつは両立しうるものかもしれません。ただ、今の僕にはその統合が見えていないので、「委ねる」ことを手放すくらいの気持ちでトライしていきたいです。だからこれからは、今のOS自体(委ねるという既存のやり方)をバージョンアップして、「目的地を決める」という新しい実装を重ねていけたらいいな、と思っています。

ー今は準備期間なんですね。また、旗を振り始めた後の話もお伺いできたらな、と思いました!

先に話したことの振り返りになるのですが、極度に頑張ろう、とか高いモチベーションの中で、というよりは、自分の素直な気持ちに従った結果、気付いたら次の一歩が踏み出せる状態が実現できるといいなと思っています。それが僕の進み方で、成功の秘訣。これは「成功した」というよりもこれから「成功していく」ための秘訣になるんじゃないかと感じていて。このロゴとそれに込めた思い「ゆらぐこの場、この瞬間。その結び目に委ねる、臨む。」を、お守りみたいにもっておけたら、僕はより良い方向に進めるんじゃないかと思っています。



会う度に「今何してるの?」と聞かれているまさかずくん。そんな彼の軽やかな生き様は「自分はどんな自分でいてもいい」という思いが根底にあるのだと感じました。休学や引越しなど、人生を左右するであろう決断についても「なんてことないですよ」という口調で語ってくれるのが印象的でした。また、ロゴにもなっている「結び目」という言葉選びや、インタビュー中に出てきた「OSとアプリ」という比喩など、表現力豊かな会話が心地よかったです。

インタビュー・執筆 村山彩



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