暑い夏の思い出

猛烈に暑いけれど、
僕は冷房が嫌いなので、
扇風機で過ごしている。
水に濡らしたタオルを
首に巻いて本を読むが、
そのうちタオルは畳まれて
熱いおでこに乗せることになる。

暑い暑いと言いながら
冷蔵庫の中から
冷えた麦茶を取りだし、
飲もうとしたときに、
冷蔵庫の冷気が
顔に当たって気持ちいい。
そのとき思い出した。

山口から東京にやって来た
友達の部屋にはクーラーはなく、
彼は冷蔵庫を開けっ放しにして、
酷暑をやり過ごしていた。
ランニング姿でタオルを首に巻き、
「おー、涼しいわい」と
冷蔵庫の前でウチワを扇いでいた。

懐かしい夏の思い出である。