奇才、クルレンツィス

朝の爽やかな時間に
気持ちよい音が流れる
「クラシックカフェ」。
ストラヴィンスキーの
「春の祭典 春の兆し」が
カラヤンやバーンスタイン、
ドラティ、マルケヴィチなど
様々な指揮者の演奏で響く。

リズムやテンポ、音色など
これほど違うのかというほど
「春祭」の表情が異なる。
そのなかでギリシャの奇才、
テオドール・クルレンツィスの
演奏に体がのけぞった。
音が僕の耳を通り過ぎない。
脳にしっかりと入ってくる。

ギリシャ人の指揮者はおろか
クルレンツィスという名も
初めて聞くものだった。
しかし1分も満たない演奏、
その聞き比べで虜になるなんて。
この人は一体何者なのか。
アテネ生まれ、ロシアで修行、
奇才ぶりで一気に世界中が注目。

オーケストラは彼専属のような
ロシアのムジカエテルナ。
チェロ以外を立たせて演奏させる。
モーツアルトの「フィガロ」や
「ドン・ジョヴァンニ」で名を挙げ、
チャイコフスキーの「悲愴」、
ベートーヴェンのシンフォニーなど、
まさに命懸けの演奏を轟かすのだ。

コロナ前に来日したそうだ。
今度やってきたら必ず聴くぞ!