アンティークリング

友人の石澤女史は
アンティークジュエリーの
オーソリティである。
東京とパリに家を持ち、
パリの骨董屋に足繁く通い
フランス貴族が身につけていた
宝石を研究している。

東京でアカデミー*を開校し、
先日は生徒たちに向けて
祖父の代から宝石屋という
「ゴルキーアンティキテ」で
アンティークジュエリー講座を行った。
指輪、ブローチ、ネックレスなど、
目を見張る逸品揃いの解説だった。

19世紀の指輪のダイヤは
ローズカットのもので
輝かせるクランカンなる
底蓋に嵌め込まれている。
肉厚のリング自体は18金で
惚れ惚れするような
細かい手仕事が施されている。

20世紀前半のベルエポック時代の
指輪は細身で愛らしいデザイン、
ダイヤやサファイアの裏は無垢で
光が入るようになっている。
その後のアールデコの指輪は
重みがあり建築的デザインで
様々な宝石が組み合わされていた。

マリー・アントワネットが
華々しく流行を生み出して以来、
フランスの豪華絢爛な
アンティークジュエリーは
その時々の世相を反映し、
流行があったことを思い知った。
指輪だけでもどれも天晴れだった。

*石澤季里さんが代表を務める「プティ・セナクル」、フランス貴族の暮らしを旅して学ぶカルチャーサロンは http://www.antiqueeducation.com/ です。