青春の光と影

「Both Sides,Now」を
「青春の光と影」と
訳したのは誰だったろう。
「今の両面」などという
つまらない言葉を何と上手く
日本語にしたものだろう。

ジョニ・ミッチェルが
23歳の時に作った歌。
ソール・ベローの
『雨のヘンダソン』を
飛行機の中で読んでいて
突然閃いたのだという。

飛行機の窓から見える
空に浮かぶ雲の光と影。
それがジョニには
自分の人生に思えたのだろう。
愛はいいこともあれば
悪いことだってあると。

♬I’ve looked at life from both sides now
From up and down and still somehow
It’s life’s illusions I recall
I really don’t know life at all
(いま、私は人生の裏と表を見ている
良かったり悪かったり、あれやこれや
思い出せばそれは人生の幻影だってこと
本当は人生のことなんて何も知らないの)♬

まさに儚く切ない青春の光と影。
でも老いてから聴くのも良いもの。
人生を振り返ってみれば
本当に山あり谷ありの両面だった。
それは今も同じである。
今も昔もboth sides nowなのである。