ワレモコウ

細い茎が枝分かれして
先端のひとつひとつに
赤褐色の穂が付いている。
素朴で控えめで穏やかで
風がそよぐと穂も揺れる。

ワレモコウの名が美しい。
吾亦紅、吾木香とも書く。
我もまた赤い、我は木の香り。
僕には長いマッチ棒に見える。
擦ったら赤い火がつきそうだ。

可愛いけどどこか寂しい花。
花言葉は「移り行く日々」。
小さな花を見て物思いに耽る。
過ぎ去った日々を思い出す。
吾亦紅が哀しく風に揺れる。