コロナ禍で感じる新しい形


コロナ禍となり、今までのようにリアルな研修会や講習は難しくなってきている。
毎日新聞二〇二一年五月十八日号にユーチューブ使う「円覚寺派管長 横田南嶺さん」としてインタビューが載っていた。


ユーチューバーとなることに抵抗はなかったのだろうか。率直に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「臨済宗は深山に籠るよりも、十字街頭で活動することを重視します。ある檀家を訪れたときに子どもがユーチューブに夢中になっているのを見て、現代の十字街頭はユーチューブなのかもと考えるようになりました」


布教という目的のために、ユーチューブという手段を用いているということであろう。十字街頭は辻と同じ意味であろう。辻説法と言えば日蓮聖人のイメージがあるが、横田管長に言葉を奪われたとも言えないだろうか。
研修や会議をするのにリアルが良いと思われる方もあるだろう、オンラインが煩わしいと考える方もあるかもしれない。しかし、安全な会議を行うという目的のために、オンラインが手段として存在しているなら使用に躊躇する必要はないと個人的には思う。

手前味噌になるが、昨年三月に自坊で死生観を話し合うワークショップ(デス・カフェ)を行おうとした。コロナ禍となり、やむなく開催中止としたが、スタッフと話し合いオンラインで開催した。現在は個人的知り合いと制限しつつ行っている。リアルではできなかった全国の友人との交流である。時代に即応した布教も考えるべきところに来ていると思う。

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