ビジネスの現場で使える人類学

読んだ。

『サイロ・エフェクト』の人の本なので面白いだろうなとは思っていたが、予想以上に面白かった。もっと早く読むべきだったか。

本書はエスノグラフィーを中心とする人類学の手法が、いかに役立つかを紹介する本である。下記のツイートは本書のことを指していた。

世間では役に立つ学問とそうではない学問があるとされる。ここで言う「役に立つ」とは狭い意味で、「金になる」と言い換えても良い。真の意味で価値があるかどうかという話ではなく、ビジネスに直結するかどうかという話だ。例えばネタツイートではあるが、最近こんなのを目にした。

ネットでは理系が強く文系が弱い印象があるが、その文系の中でさらにカーストを作っているのが笑ってしまった。実際、就職においては社会科学の方が有利で、人文科学が不利とする記事もある。

第5列が、人文科学系が中心で、これは「一般教養」の世界で、最も実学から遠く、企業で直接役立つことはない。

【出身大学&専攻別】「雇われる力」が一発でわかる“就活楽勝度マップ” | 「いい会社」はどこにある? | ダイヤモンド・オンライン

この見解が適切であるかはさておき、そういう風潮があるのは確かと言っていいだろう。

このような風潮に対し、反論の方針としては大きく二つが考えられる。一つはビジネス以外の価値を伝えるというもの。もう一つはビジネスでの有用性を示すというものだ。本書は後者にあたる。

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