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生前整理だけはしておいてほしいと思う、その理由

幸いにも私はまだ遭遇していないのですが…

上記のツイート、葬儀の現場だけでなく、遺品整理の現場でもこういう輩が現れるのだそうです。
たいそうな品を集めていた人であれば、周辺の人もそれを知っている可能性があり、死後に、さも「約束していた」という感じで家に入ってきて、勝手に品々を漁っていくのだとか。まさに「死人に口なし」ですよね。

先日読んだ「時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし」という本にも、同様のことが書かれてありました。
少しだけ引用させていただきます。

皆さんは孤独死の現場と言うと(中略)静まり返った場所を想像するかもしれない。しかし現実は真逆で騒然としている。なぜなら「故人の友人」を名乗る人たちが次々に現れるからだ。
遺族と作業の段取りをしている最中に、彼らは住居の前を何度も通りすがり、室内の様子をうかがい始める。そして勝手にずかずか部屋に上がり込んでくるのである。
目的は何か? 換金できそうなものや自分が使いたいものを持ち出すためだ。
若くして孤独死してしまった男性はアニメが好きだったようでかなりの数のフィギュアが部屋に残されていた。
亡くなった男性の父親は悲しみで涙が止まらず、ベランダに出て落ち着こうと必死だった。
そんな時に「友人」と名乗る男性が戸口に現れた。亡くなったことを誰にも知らせていないのに、である。
彼らは当たり前のように部屋に上がり込んで、「このフィギュア、売ったら〇万はする!」と、悲しんでいる遺族を前に喜んでいる。
悲しみに暮れている父親には、息子の大切な遺品が目の前で奪われても、止める気力さえ残っていない。

私の仕事は整理収納アドバイザーで、つまり「片付け」です。「人々の家からモノを減らす」ことをメインに活動しているわけですが、ただ「棄てる」のではなく、そのモノの命も考えてあげたいと思っています。使えるモノなら誰かに売るとか譲るとか、モノが幸せになってくれることを祈っています。
なので、こんなふうに見ず知らずの人が強奪していくような真似は、哀しいし許せないと思う。
けど、死んでしまうとそれを伝えることもできないんですよね。

生前整理がいまいち普及しない日本ですが、自分の手元にやって来た「モノ」は、すべて自分の子どもと同じように考えてくれたらいいんじゃないかな~と思います。
「もし自分が死んだら、この子をどうしよう」。そう考えるだけで、少し「モノ」の未来がイメージできます。
高価なモノだったら、伝えるべき人に伝えておかないといけません。価値はないけど思い出の品だというなら、どのように処分すればいいかも伝えてあげたいですよね。
死は、必ずしも予測できないときがあります。急に死が訪れた時、悲嘆にくれているあなたの家族が、あなたの形見を適切に処理できず、どこの馬の骨とも知らない人に奪われていくかもしれない。そんな悲しい未来を紡がないように、ぜひとも家族の間で話をたくさんしてほしいなと思います。



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