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片付け屋の呟き~生前整理できる人はそれだけで幸せだな、と思った

また大きなお仕事が入りそう。

というのも、ご高齢のお客様宅で、奥様がついに施設に入所なさったらしいのです。今まで掃除をしてくれていた奥様が認知症になり、掃除が行き届かなくなったために私が雇われていただけに、「来るべき時が来たか…」という感じ。
奥様はご高齢ということもあり、残念ながらもう、ご自宅に戻ることはないのでしょう。ご主人さまもそれを承知していらっしゃるから、「次回以降、家じゅうのモノ(=奥様の所持品)を片付けて行こうと思うので手伝ってくださいね」とのお話をいただきました。

遺品整理よりも生前整理をおススメする理由は、「自分で意思決定ができるから」に他なりません。生前整理なら、自分の集めた大切なものを、処分するとか捨てるとか誰かに譲るとかを、自分で判断することができます。家族の間で思い出話に花を咲かせながら、時には喧嘩もしたりしながら、ゆっくり作業ができます。喧嘩さえもいい思い出になるかもしれません。
亡くなってからでは遅いので、ぜひ少しずつでも進めてほしい。

そう思うのですが、認知症だとそれさえままなりません。ご本人はご存命だというのに、意思決定ができないのです。
「家内はもう私のことも何も分かってないみたいなんですよ」
ご主人様も明るくふるまってらっしゃいましたが、きっと奥様が不在になったお家の中、奥様のモノを見るたびにいろんな思いが去来するのでは…それを勝手に想像しては泣けてきます。

こうなる前に、「老前整理」という言葉もあります。老いる前に、なるべく身軽になっておこう、というもの。老いてからではモノの判断もしづらくなりますし、モノが多い家に住むこと自体が転倒などの危険もある。老いていくごとに、身軽にしていきましょう、というお片付け業界の提案です。

自分だっていつまで健康でいられるか分かりません。
私にもそこそこ趣味があるし、いろんな持ち物をどう処分するか、子供達にはなるべく伝えるようにはしていますが…当然十分だとは言えない。

生前整理はきついし大変なんだけど、生前整理ができるってある意味幸せなことなんだな…と思った本日でした。

もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)