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デミタスカップの愉しみ

素晴らしい展示会へ行って来ました。
松濤美術館で開催中の「デミタスカップの愉しみ」です。

18世紀から20世紀初頭までのデミタスカップ380点が集合している貴重な展示です。
何が素晴らしいかというと、その展示のほぼすべてが個人所蔵であること。
村上和美さんというおひとりの方のコレクションなのです。なんと全部で2000点以上所蔵なさっているのだとか‼️

お小さいときに村上さんのお母様がご自宅でエスプレッソを召し上がるときに使っていたのがデミタスカップ。
お母様がデミタスカップに淹れた珈琲を召し上がるのをみて「デミタスカップの魅力」を初期設定なさった村上さんは、大人になってからコレクションを始めたそうです。と言っても、コレクション開始は2006年のことだとか。たった10年強で1200点のアンティークを蒐集するなんて!!  しかも個人が! 

当コレクションは、そんな村上さんの「好きっ」が詰まった熱くて優美なコレクションです。


ピンクとミントグリーンの組み合わせがハートをくすぐるカップ。
ラデュレの世界観がお好きな方ならドハマリ間違いなし!!


思わず息を飲む卓越した技巧の透かし彫りカップ。
工芸品の域を超えています!! 

欧州に珈琲文化が根付く前に貴族たちが嗜好していたホットチョコレート用のカップの優美なシルエット。
エリザベートもこんなカップで飲んでいたのかしら。。。


景徳鎮の影響を受けた唐人が描かれたカップ。
明の時代は盛んに海外輸出を行っていたということでしょうか。。。


伊万里?と見紛うほどの金彩花鳥のカップ。
鎖国していても美しいものは海外へ伝わっていくのですね。。

展示の仕方も一興でした。
金、白、ピンク、レモンイエロー、ミントグリーン。。。色とりどりのカップが横一列に並ぶさまは、まるで貴族の舞踏会。
ボールルームで華やかに装った貴婦人たちが紳士からのダンスの申し出を横一列になり待っている、、、そんな光景が目に浮かぶようでした。

どれもが溜息をつくほど美しい。
実際何度息を飲み、幾度溜息をついたことか。

16世紀ごろアジアから欧州へ伝わった喫茶文化が欧州でどのように花開き人々の愉しみになっていったのか。
茶道を学んでいる私には、喫茶文化という側面からも大変興味深い展示でした。
奇しくも、松濤美術館と指呼の間の戸栗美術館では「古伊万里の御道具展 ~茶・華・香~展」を開催中です。
ふたつをセットで鑑賞してみるのもオススメ。

「デミタスカップの愉しみ」
松濤美術館で10月10日まで開催中です。




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