フォルケホイスコーレでは、夕食後や週末にいろいろなイベントがありました。特にイベントがない日でも食堂に残り、ゲームする光景がしょっちゅう見られます。

カードゲームやボードゲームなど、今まで見たことがない様なものもあり種類がとても多いです。誰が置いて行ったのかゲームではありませんが、けん玉もありイギリス人男子が上手でよく遊んでいました。

1週間のスクールトリップで学校を離れるときは先生が「どのゲームを持っていきたい？」と聞いてくださり、荷物に積み込むことを忘れない様になっていました。そこまでゲームしたいの？？驚いた記憶があります。

私のお気に入りはThe Mind というカードゲームです。日本でもあるかもしれませんが、私はデンマークで初めて体験しました。

1〜100までの数字が書かれたカードがあります。これを各人1枚ずつ配り、数字が小さい順に出していくというシンプルなゲーム。自分のカードは見られますが、他の人が持つカードは見ることができません。全員がカードを出し終えると成功！となります。

（成功例）
ある人が10というカードを出す。
私が15というカードを出す
ある人が20というカードを出す。

（失敗例）　
ある人が10というカードを出す。
私が15というカードを出す
ある人が実は14というカードを持っていて出せなくなる。　→ゲームオーバ

各人に配られるカードを1枚→2枚→3枚　と増やしていくと難易度が上がります。参加者全員の心（Mind）が一つになると成功するので、その時の達成感はすごいです。大きな歓声が上がって、食堂が一瞬震えます（笑）

私はこのゲームは心理を読むゲームだと思っていたのですがどうやら違う様です。参加人数と配られるカードの枚数から考えて、どれくらいの数字の差であれば出していいかを考えるそうです。
数の類推の訓練？チームワークを養う練習？
そんな難しいことを考えず、ともかく楽しんでいました。
私がこのゲームを好きということで、クリスマスプレゼントに貰ってしまいました！ころながおさまれば、これで友達と遊びたいなぁと思う今日この頃です。

この他に面白かったのはSETというカードゲームです。
数・形・色・塗り方　という要素があって、すべての要素が同じか、全ての要素が異なるものを見つけ出すというちょっと複雑なゲームです。

色と形と塗り方とデザインがバラバラのカードがあり、12枚を表向きに並べておきます。SETを見つけたら、カルタ取りみたいに自分の手元に取り込みます。そしてまた新たな3枚のカードが補充されます。たくさんのSETを見つけた人が勝ち！　私はルールを理解できず全く勝てませんでした。

↑遊び方のわかりやすい説明はこちらをご覧ください！

このゲームの肝は、思考の切り替えだと思います。
「要素が全て同じ種類」「すべて異なる種類」のどちらを探しているのか自分の思考を自在に切り替えられると有利です。逆に、どちらかに固執すると組み合わせを見つけることができません。
また、探す対象の12枚はどんどん変わっていくので、先ほど見ていたものは一旦忘れて、次のSETを見つける必要があります。しかし過去の残像が役立つこともあるので、全く忘れるよりも少し覚えていることも有利になるかもしれません。

このゲーム、会社の経営と似ている気もします。過去の栄光に縛られていては新しいことに取り組めませんが、過去の成功のエッセンスは次に活かす方が有利だと思います。実生活でのチャレンジは、失敗したとき辛いですが、ゲームで思考を鍛えれば楽しみながらできますし、痛手も少ないです。

イノベーションを起こすには「多視点」から考えることが重要とも言われており、数・形・色・塗り方という異なる要素をあれこれ考えることと共通性がある様にも思います。新市場を作ろうという時に、財務・デザイン・営業・開発を横断しなければ成功は難しいと思うからです。どの要素に偏ることもなく、テレビのチャンネルを変える様に視点を変えることは非常に重要かつ難易度が高いと思います。

デンマーク人がその様なことを考えてゲームを楽しんでいるかは分かりませんが、思考を鍛えるゲームがたくさんあることは確かです。UNOは国籍を超えて楽しめる遊びで、ほぼ毎日？繰り広げられていました。チェスやバックギャモン、ビリヤードも人気がある様です。

全く知りませんでしたが、バックギャモンは飛鳥時代に盤双六（ばんすごろく）として日本にも持ち込まれていて、その後賭博にあたるとして朝廷から禁止された歴史があるそうです。シンプルだけど考えさせられるし、ある程度スピードが要求されます。確かに面白くてハマると抜けられない恐ろしさが賭博っぽいです。

その他デンマーク発祥のLEGOは思考を鍛える遊びの代表です。この辺りをもう少し深掘りしてみたいと思っています。

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