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喜六庵の「あくびの稽古」にお付き合い下さい その二十三 私家版「小噺・ジョーク集」

イントロダクション

 2024年4月3日、その二十一として私家版「上方落語小品集」を投稿させていただきました。この内容は、1978年10月20日に手書きで作成した冊子からの復刻版でした。私の記憶の中では、1965年頃から当時のNHK総合、NHK教育、民放局の角座アワー、吉本新喜劇、「ハイ!土曜日です」、関西ラジオ深夜放送での若き時代の桂三枝(現・桂文枝)、桂小米(故・桂枝雀)などを通じて、当時のお笑いを観て聴いて育ちました。1970年頃からは、テレビのスピーカーの前にマイクを置いて、当時のオープンリールテープレコーダーで録音した記憶もあります。
 1975年頃に、テレビ番組やラジオ番組で聴いて、おもしろかった小噺を書き留めておいたメモをみつけましたので、復刻版で投稿します。

しょうもない小噺

「なっ、なんや?おまえ‥」
「へぇ、わたい、ユウレイ‥」
「ユウレイ?こらっ!今、何時やと思ってんねん。午後の二時やで、午前の二時と違うで‥」
「へぇ、わたいね、二日酔いで、前後不覚でんねん」

「ここかいな?化け物屋敷は‥。うわぁ!真っ暗やな?‥うわぁ、明るくなった。‥うわぁ、暗くなった。‥うわぁ、明るくなった。‥うわぁ!」
「兄ちゃん、僕にも貸してぇな、‥懐中電灯」

「なっ、なんや?おまえ‥」
「へぇ、わたい、ユウレイ‥」
「ユウレイ?こらっ!今、何時やと思ってんねん。午後の二時やで、午前の二時と違うで‥」
「へぇ、夜中は、うちのやつが離さしまへんねん」

「ここかいな?化け物屋敷は‥。うわぁ!真っ暗やな?。‥うわぁ、電気がついた。‥うわぁ、消えた。‥うわぁ、ついた!」
「お母ちゃん、お兄ちゃん、又、電気椅子で遊んでる」

「なっ、なんや?おまえ‥」
「へぇ、わたい、ユウレイ‥」
「ユウレイ?こらっ!今、何時やと思ってんねん。午後の二時やで、午前の二時と違うで‥」
「へぇ、わたい、蒸発してきましてん」

「ここかいな?化け物屋敷は‥。うわぁ!真っ暗やな?。‥うわぁ、電気がついた。‥うわぁ、消えた。‥うわぁ、ついた!」
「お母ちゃん、お兄ちゃん、又、テレビの中で遊んでる」

「なっ、なんや?おまえ‥」
「へぇ、わたい、ユウレイ‥」
「ユウレイ?こらっ!今、何時やと思ってんねん。午後の二時やで、午前の二時と違うで‥」
「へぇ、ちょっと日光浴に‥」

 ホンマに、しょうもない小噺です。筆者の都合で、さらに続きます。

「おかしいなぁ?何で、電気つけへんのや?うわぁ!ついた。‥うわぁ!消えた。うわぁ!ついた」
「誰や?電気椅子に、バイメタルつけたんわ」

「おかしいなぁ?何で、電気つけへんのや?うわぁ!ついた。‥うわぁ!消えた。うわぁ!ついた」
「お母ちゃん、お兄ちゃん、バッテリーあがってる」

ダジャレ小噺

「あの‥、扇子、落としましたよ」
「おおぎに!」

「冷蔵庫に入れておかなかったから、アイスクリームが溶けちゃったじゃないか!」
「あいすみません」

「クジラって、どれだい?」
「あれさ」
「ホェール!でっけえなぁ!」

「この、みかんは旨そうだな?誰のだ?」
「オレンジ!」

「ファンタってのは、炭酸が入っているんだね?」
「どおりで、グレップが出ると思ったよ」

「それで、明日の昼までに、サイダー1ダース、お届けすればいいんですね」
「さいだす!」

「昨日、君の部屋に泥棒が入ったてねぇ。それで、どうしたの‥」
「ルーム、してないよ」

「ご隠居さん、ジェット機ってのは、速いっすねぇ!」
「じぇっと、してないからね」

「山は、トイレが無いから困るだろうね?」
「そりゃ、マウンテンねぇだろうね」

「君っ!今年は禁煙するって言ってたけど、どうだい‥」
「うん、タバコやめてから、体がスモーク、調子がいいんだ」

「海水浴の時って、トイレに行かない人がいるね?」
「あぁ、シーっていあぐらいだからね。

「うわぁ、混んでるね。どこが海なんだい?まるで、風呂屋だね?」
「そりゃ、そうさ。海水浴場だからね」

「今度、アメリカで月ロケットを打上げたってねぇ」
「ム~ン」

「コンコルドってのは速かったねぇ。でも、音が大きいから、あまり飛んでくれないほうがいいね」
「もぅ、コンコルド‥」

「桃太郎は、何から生まれたか、知ってるか?」
「‥桃だろう」

「あそこに見えるのは、トラかい?」
「タイガー、そうだろう」

「あそこで、学生がタバコ吸ってるぜ!」
「そりゃ、バッドだ!」

「なんだ、お前は、まだ学生のくせにタバコを吸って、ダメじゃないか!」
「しんせい、どうもすいません」

「おーい、蚊取り線香を持ってきてくれ」
「は~い。でも、線香に火をつける時って、きんちょうするわ」

「あなたは酒の飲みすぎですよ。洋酒は口当たりがいいから、控えめにして下さいね」
「いゃ、先生、無理ですよ。ニッカになっているんですから‥」

「今度の連休に旅行したいんだが、新幹線の座席は取れるかね?」
「そりゃ、とれいん」

 えびすさんと大黒さんが相撲をとったてな話がありまして、
 俵につまったえびすさん、とうとうタイを落としました。

川柳

 雷の落ちる拍子に後家も落ち
 麦畑ザワザワザワと二人逃げ

にわか(仁輪加)

「(そろばんをもって)えーッと、あれがあれで、これがこれで、(パチパチとはじいて)八万八千八百八十八‥‥?」
「おいっ、何してんのや」
「いゃ、あのな、大阪は昔から八百八橋言うやろ。ホンマかいなぁと思ぅて、区役所へ聞きに行ったら、やっぱり八百八橋やて。そいでね、わたい、こうやって勘定してたんやけど、八万八千八百八十八、になってしまうのや」
「何で、そない多うなんねん?」
「あっ、そうか。橋やさかい、かけてしもたんや」

ジョーク

 人事課の係が採用面接に来た美人に‥
「わが社はオートメ化され、今のところ採用の必要はないんですが、ちょっとお待ち下されば、コンピューターをぶっ壊してきます」

 ハリウッドの映画監督がグラマーな新進女優と飲み歩いて、とうとう彼女の家に泊まってしまった。朝帰りした彼は、奥さんが怖いので思い切って本当のことを話した。
 すると、「あなた、そんな事言って、本当は悪友たちと一晩中、ポーカーやってたんでしょう」

 おませなサリーが男の子を連れて交番の前を通りかかった。
 おまわりさんが「おや、サリー、君ほどの美人がボーイフレンド一人とはね?」と、からかうと、サリー。
「えぇ、でも、私、まだ小学一年生ですもの‥」

 幼稚園に入ったばかりの坊やがパパに言った。
「ねぇ、パパ。ぼくはどこから来たの?」と。パパはとうとうくるものがきたと思ってメシベとオシベの話から始めて、汗びっしょりになって説明した。すると、坊やが
「パパ、どうしてそんなお話なの?あのね、友だちがテキサスから来たって言ってたから、ぼくは何処から来たかって聞いたんだよ」

イブ「夕べは、どこへ行ってたの?誰と、一緒だったの?」
アダム「バカいえ!ここには二人しかいないじゃないか!」
 その夜、イブがアダムの眠ったのを確かめると、肋骨の数を「一本、二本、三本‥‥」

「いゃあ、アラスカの寒いのなんのって。どうして、世界のスキーヤーたちが一度はアラスカを訪れるか、知ってるか?それは、アラスカが大回転の練習に恰好な場所だからさ。なんてったって、アラスカの寒さは凄いんだ。素人のスキーヤーが練習してる時、北風がさっと吹くと、そのまま凍りついてしまうんだ。後から来たプロ・スキーヤーは、それをポール替わりにして練習ってわけさ」

「いやいや、グリーンランドへ一度来てみろよ。なにしろ、一億年前の氷でオンザロックを飲んでるんだからな!」
 それを聞いていたロシア人が‥。
「いやぁ、おれの国はもっと凄いぜ。なにしろマンモスが自然貯蔵してうるんだからな。それに雪は、おれの国にはかなわないだろう。いくら、ほかの国が高く積もっても、幅はおいらの国が一番だからな!」

よくある話(実話)

 デパートで、
「おかあさん、このオモチャ買って!」
「あのね、いつも言ってるでしょう。家では、おかあさんでいいけど、人手は、ママって言いなさい」

昔からの小噺

1997年発行 東洋文庫

 ある犬が人によく噛みつくというので、坊さんに相談すると「虎」という字を手のひらに書いて見せればよいと教えてくれた。ところが、そのとおりにやってみたが、効果がない。もう一度、坊さんに相談すると、
「おそらく、その犬は文盲だったんだろう」

 洒落っ気のある人が、自分の犬に「二十四」と名前をつけた。不思議に思って聞くと‥」
「毛がしろくなっているので‥」

 日本一の智者と自称する諸国行脚の僧侶がいた。ある寺に立ち寄った時、稚児が、土の上に一の字を書いて、読みを乞うた。僧侶は、いろいろ考えたがついにわからず、稚児に聞くと、
「土の上に、一は、王です」

 泥棒に入られた家で、「どんなやつのしわざだろうか?」「だれが手引きしたやつがいるだろう?」とか、話している時、少し頭の弱い男がやって来て、「ここに入った泥棒が、どんなやつか知っているよ」と言うから、聞くと、
「物が欲しいやつが入ったんだ」

 恐妻家の友達が三人、集まった。
 一人が「俺の女房は裁縫が上手で、愛嬌もあるけれど、気が短いので月に一、二回俺を叩く」と言った。すると、他の一人が「俺の女房もそうだ。人にはいいんだが、俺にはつらくあたるんだ」と言った。
 最後の一人は、「なんだ、おまえたち、女に殴られて、それでも男か!」と罵ったので、「それじゃ、おまえは殴られたことはないのか?」と聞くと
「あたりまえだ!俺は、叩かれる前に逃げるからな!」

 まぬけな武士に海老をふるまったところ、赤くなつているのを「これは、生まれつきか、また何かで塗ったものか?」と問われた。そこで、「これは煮詰めたため、赤くなったのです。」と答えた。その武士が、朱槍を持った武士を見て、「あの槍は、煮詰めて朱色にしたものだが、よくあんな大きい鍋があったものだ」

 ある侍が馬に乗っている時、銭が落ちているのを見た。中間にそれを拾わせると、これが柿のヘタだった。すると、その侍が
「柿のヘタちいうことはわかっていたが、馬が恐れるからな‥」

 ある家でお客が来て、飯時となったが麦飯しかない。そこで、お客にそう言うと、「いや、麦飯でけっこう、麦飯なら、三里言っても食べる」と言ったので、振舞った。そのお客が、又、来た時に米の飯があったが、麦飯にしようと言うと、
「いや、米の飯ならば、五里言っても食べる」

 兄は貯めた金を残らず握ってあの世に行き、弟は持っていくのが惜しくて、無一文であの世へ行きました。三途の川で渡し賃を払う段になって、弟は無銭で断られ、兄は大金のため釣銭が無いと断られ、仕方なく二人とも、この世へ舞い戻ったという話がありました。さて、あなたは、どちらのタイプですか?

時事ネタ

「米中接近で、日本が取り残されそうだけど、中国との関係はどうなりますかねぇ?」
「見通しは、明るいでしょうね」
「ほぅ」
「何てったって、日中問題だからね!」

 国政選挙が終わって、一言。
「あぁ、そや、そや。あんたが大将!あんたが大将!」
(海援隊の「あんたが大将」、1976年オリコンチャート第40位の頃)

 今年は、「辰年」ということで、「辰」に関係した話題を週刊誌で特集してましたが、その中から‥。
 十二支の思想はお隣の中国からの輸入だそうですな。現在でも使われているようですが、一つ違うところがあるんやそうです。あの「辰」というのんは、架空上の動物ということで、十二支の思想には合わない。そこで「辰」の代わりに「パンダ」を使っているんやそうですね。
 日本でも、パンダに代えたら、おもろいんやないかと思うんですが‥。
「今年から、辰を止めて、パンダを使いまーす」てなことを政府が発表した途端に、上野動物園のパンダが神さんみたいになってね、「パンダ大明神」が出来たりして‥。左甚五郎作の昇り龍、降り龍が、昇りパンダ、降りパンダになったりして‥。それよりも困るのが産婦人科ですな。パンダ年生まれということが出産率を高くしますからね。この不況時代、国会でもって審議する価値があるかもです。
(まさか、48年後の辰年に、この小噺を復刻出来るとは‥)

1971年発行 「きまぐれ博物誌」

 私の大好きな作家の一人、星新一の「きまぐれ博物誌」の241〜242頁に、にっぽん人間関係用語辞典「クロマク」という項目があります。
「‥黒幕の側は『すべておれの成果』とほこらしくなり、動いた側も『すべておれの実力』とほこらしくなる。喜びを二倍に増幅でき、きわめて高度な文明といえよう。しかし、ある夜ひとり目ざめ、『おれの行動はすべて黒幕の指示なのかもしれぬ』などど思案してはならぬ。じたばたすれば、幕は黒と白の縞模様となり、人生の幕ともなりかねない。」
(まさか、50年後に、マイマンバーや裏金問題?で、この意味が理解出来るとは‥)
今でも、笑える噺がありましたか?







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