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始まりは1999年のゼロ金利だった=日銀が為替に絡まれた歴史

 植田和男日銀総裁が記者会見の最後で、大規模緩和を修正した理由について、為替市場への配慮を認めました。内田真一副総裁も講演で、「為替市場への影響」に言及しました。日銀は古くから為替に翻弄されてきましたが、1998年施行の改正日銀法(新法)の下で、初めて為替に関与したのは99年のゼロ金利でした。日銀が為替に絡まれた歴史を簡単に振り返ります(日銀はタイトル写真とは違って弱弱しいです)。

 言うまでもなく、日銀は1970年代初頭の「ニクソン・ショック」で変動相場制になってから為替に翻弄されました。特に1985年のドル高是正を狙った「プラザ合意」では、急激な円高による不況を恐れ、金融緩和を必要以上に続けてバブルを助長する失敗を犯しました。ただ、当時は政府隷属の強い旧法時代であり、為替関与は避けられない運命だったと言えます。

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