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Eバイクは誰のためのものか

「半年前まで近づきもしなかったのに…笑」
そう言われました笑

確かに、半年前の私はEバイクに興味を示しませんでした。理由はごく一般的です。「こんなの自転車じゃねぇ」です。「自力こそ自転車だ、だったらバイク乗ったほうが良いよ」とすら。しかし、この考えがいかに間違いで、面白くなかったかを思い知らされました笑

これからの自転車販売事情を考えると、仕事として乗っておかないといけないはずだと思い、自費購入したことから始まったんです。

買ったのはミヤタのクルーズ。アルミフレームにアルミフォークというコストパフォーマンス重視のシャシーに、最新のSTEPS8080ユニットを搭載したオーバースペックなクロスバイク。これで26.8万円というバーゲンプライス。このバカ仕様に惹かれました笑

8080は本来、シマノのEバイク用アシストユニットの中でも開発が遅れていたE-MTBジャンルに特化したモデルとして開発されました。E-MTBに必要なパワー、トルク、ソフトウェアを用意したので、E-MTB用ユニットにおいて色々なメーカーに採用され、他社と比較して最も軽量で小さく、パワーも充分にあると大きな評価を得ることができました。

私がミヤタのクルーズに乗った結果、これは良いと思ったポイントをまとめます。

1:8080ユニットが俊足
これは癖になる加速感です。ロードでどれだけ踏み込んでも、この加速は実現できません。また、それをバッテリーが持続する限り何度でも繰り返すことが出来、体力は一切無駄にしないのですから、楽しくないはずがありません。

2:バッテリーが大容量
大容量バッテリーが100km超の航続距離を実現しました。24km/hまでのアシストですから、平坦を走る際にはバッテリーを使わず走れる人もいます。私はそれに当たります。ゆえ、平坦をメインにした場合には航続距離に対して最大で2倍くらいは走れそうです。山岳メインにした場合でも、航続距離同様か、7割くらいは走ることが出来ました。

3:アシストの効き方がちょうどよい
欧州市場などでは25km/hまで最大3:1という爆発的なアシストをさせることが出来ますが、日本国内では20km/hまでが2:1、それ以上の速度では徐々にアシスト比率が小さくなって、24km/hに達するとゼロになります。つまり、欧州仕様ではガクンと一気にアシストが切れるの対して、日本仕様ではいつ切れたのかわからないくらい自然になっています。これが意外と良いと思いました。いつ切れたのかわからないので、まずペダリングしていて違和感を感じません。20km/h以下になると急に「ウィ〜ン」とアシストが強力になるのでわかりますが、それ以上のスピードではとても自然に感じます。むしろ、これのおかげで欧州仕様と比較してバッテリーを効率よく使用することが出来、長距離の走行が可能になっています。

4:運動としてちょうどいい
私が乗っても他の人が乗っても、Eバイクでは運動強度が当人の相対値として同じ程度になります。無酸素運動に達することがなく、有酸素域のみなので体に負担をかけることなく長時間の運動が可能です。ちょっと体重があっても大丈夫ですし、基礎体力がなくても大丈夫。また体力がある人はそれなりにいい運動になります。3時間位走れば1000kcalくらい消費するので、立派な運動だと言えます。3で述べたアシストの塩梅によりペダリングもしっかり感じますから、まるで力を入れていないようなことにはならず、”自転車に乗っている感覚”はしっかり楽しめます。ゆえ、バイクで移動するのとは全然違います。

5:自転車のルールの中で生きられる
これ実は結構デカイです。バイクに乗ればバイクのルールになります、当然です。免許も必要ですし、燃料や駐車場など色々なコストがかかってきます。しかし、Eバイクはあくまでも自転車なので、何台持っても大丈夫です。また駐車スペースも小さくて済みますし、街を自転車のルールにおいて走れることは自由度の高さを生みます。ゆえ、欧州ではセカンドカーの代わりとして利用されるケースが増えています。

んで、誰のためのものなの?
欧州と同様に、今では身体が弱い人や体力に自身がない人、あるいはラクに走りたい人から興味を持っています。ただそのような人であっても、上り坂になればものすごい速度でロードバイクを抜き去ることが容易に想像できますし、これまでのような「練習してから、○○峠を足付きなしで登り切る」などの目標に対しても、Eバイクなら練習なしで買った翌日には実現可能であり、登っている間に仲間と会話すらできてしまうということになるのです。「そんなのは偽物だ、うれしくない」と蹴っ飛ばすことも出来ますが、これまで自分の体力+ロードバイクでは実現できなかったルートや場所に対して、容易に楽しくアプローチできるとなれば、これが楽しくないはずがありません。

つまり、これは欧州でも起きたことですが、2-3年の期間を経て、自転車マニアもその楽しさを認め、結局は乗るようになったというストーリーが待っているものと思われます。意地でも認めないのも方法ですが、どう考えてもロードバイクで行くべきではない場所やスケジュール設計上で無理なルーティングもEバイクとなら可能になるのです。

旅好きサイクリストにEバイクを
これまでより多くの峠に、多くの道に、多くの景色に、楽しく、会話すら伴ってアプローチが可能になるのであれば、もはやEバイクは「自転車で旅をしたいすべての人に適した道具」だと言えると思います。

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