演劇って貴族の趣味だなあと思う

観劇好きな友達の影響でたまに演劇を見るようになった。見たら面白いし楽しめるんだけど、私は演劇というメディアそのものはそんなに好きじゃないな。何でかというと演劇ってのはお客に対してめちゃくちゃ不公平なコンテンツだから。

まず東京や大阪でしかやらない演目が多いので、大都市圏へのアクセスが悪い人はそこでふるい落とされてしまう。私は大阪に住んでいるのでまだましだが、仕事の事情や金銭的事情で遠くへ行けない人々が涙を飲んでいるのは傍から見ていてもつらい。

さらに大都市圏に住んでいたとしても、見る時間を確保できるかっていう問題がある。有休が取りやすい職業の人と、気軽に休みが取れず土日しか公演に行けない人の格差が生まれてしまう。

で、チケットが取れたとしても、うっかり見づらい席に当たってしまったりすると劇を十分に楽しめなくなる。S席取れよという話かもしれないが、S席でもいまいち見づらいことあるらしいからな……。

私が本と映画が好きなのは、これらがお金を出しさえすれば誰でも見られるものだからだと思う。演劇はそうではないので……お金だけでなくそれ以外の労力を要求されるコンテンツ、結構つらいですよ。よほどの興味がないと続かない。

で、なんでこんな話を突然し始めたかというと、ファンも作る側も、演劇に関わっている人ってこの「演劇が演劇であるゆえに客を選んでいる」ということに無自覚なんじゃないかなって思うときがあるからです。本当に選ばれた人の趣味だし、なかなか業の深いコンテンツだよね。

演劇って貴族の趣味だと思う。暇とお金と精神的余裕がないと見続けられない。そういうわけでストーリーが気になったら見てみるけど、ドはまりはしないんじゃないかな。と思っている。